南国市。
『道の駅南国・風良里(ふらり)』
そこで毎週1回。火曜日のみ。
農家の女性グループが『農家レストラン・まほろば』なるものを開催していると聞いたのは、随分前。
火曜日に絶対開催されるわけではないため、公式サイトの営業日をご確認ください⇒ 【南国市/農家レストラン まほろば畑】
しかし「火曜日のみ」という条件が足かせとなって、なかなか行けず。
月日は流れ、12月17日。
<おっ…今日…火曜日じゃないか…!>
唐突に風良里のことを思い出し、フラリと出向いた。
<来たはいいが…まだあるのか…!?…券っ…!!>
事前に調べて知った、農家レストランのシステムは特殊。
料金1000円。
50分間、食べ放題。
いつ入ってもいいわけではなく、総入れ替え方式。
入れ替え時間
- 1回目/10:50~11:50
- 2回目/12:00~13:00
- 3回目/13:10~14:10
* 各回50~70名程度が入店可能
すべての回の食事券は、10時30分より販売される。
私、到着。
このとき、すでに11時45分。
狙った12時の回ギリギリ。舐めきった時間。
<10時30分から売ってんだ…もう食事券が売り切れていたとしても…驚きはしない…!>
ある程度、覚悟しながら1階エントランスホールに入る。
すでにエントランスホールには、大量の人!人!人!
<うぐっ…予想通り…すし詰め…!無いかもしれない…もう食事券…無いかもっ…!!>
階段の下に、オバチャン発見。
誰が見ても、受付。駆け寄る。駆け寄って発声。
「ま…まだありますか…じゅ…じゅじゅじゅ12時の回…!」
常人では考えられないほど、ドモッた。
するとニコヤカに、オバチャン。
「ありますよぉー!」
「あ…ありますかっ…!?」
「ありますよぉー!お一人様1000円です!」
天使……!
オバチャン!大天使っ…!!
<掴んだ…この道の駅南国・風良里で…!強運…!来年の分の運まですべて使い果たす…圧倒的強運…!掴んだぁぁぁっっ…!!>
代金と引き換えに、念願の食事券を頂く。
<39番と書かれている…これが俺の番号…!嬉しい…ミックミクだっ…!!>
それから待つ。
12時になるまで待つ。
平日ということが関係しているのか。
詰め掛けた人々の年齢層は、高め。
私のお祖父さんお祖母さん世代が主。
<金髪なんか俺一人…影は薄いが無駄に目立つ…!これなら迷子になる心配はなさそうだ…!>
わけのわからないことを思いながら、待つ。
やがて、時は12時。
一人のオバチャンが階段の下に立ち、食事方法の説明を始めた。
<ふむふむ…バイキング形式なんだな…>
初めての挑戦で、まったくわからないので、酒のことは今だけ忘れて集中して聞く。
<なるほど!食事スペースは2階…!とすれば…この上に…すでにもうお料理が用意されているという図式…!!>お腹が鳴った。
「野菜ばっかりですけど…」
オバチャンは一通り説明し終えたあと、そう言って苦笑した。
<いいさ…野菜ばかりで…!農家レストランという時点で…もう最初から野菜食う気満々…!むしろ…食い尽くしてやるっ…!!>
農家レストランに挑む、農民。
電撃の50分間が、始まろうとしていた。
オバチャンの説明。一通り終わった。
食事券に記載された番号が呼ばれ、順次階段を2階へ上る。
階段を上った先。
別のオバチャンが待ち構えていて、箸を渡してくれた。
<おぉっ……!!>
目の前に群雄割拠の料理たちが見える。美味しそうだ。
<皿っ!皿は何処に…!>
早速、取ろうとした。
がっ!
「まず席を確保してください」
とオバチャンは言う。
<そうか…席を確保しなきゃ…!
危ない…そのまま料理に飛びかかるところだった…!>
特徴的なC字型の店内。
細長く湾曲した空間の両側が窓になっていて、その窓際にテーブル席が配置されている。
<ここにしよう…!>
さっき貰った箸を置く。これで席の確保完了。
いよいよ料理を取りに行く。
バイキング形式で取る料理。
同じものが2箇所に配置されている。
隊列に並ぶ。
話の通り、料理は野菜主体。
<迷うことはない…全種取るっ…!>
好き嫌い、ほぼ、ない。
オバチャンたちが作ってくれた料理…!
盛ってやる…限界まで盛ってやる……!!
この『農家レストラン』
食べ放題の制限時間は50分。
一般的によくある食べ放題の時間と比較すると、短め。
<何度取ってもいいとはいえ…何度も取りに来ていると時間的なロスが大きい…!ならば一度にたくさん盛る…!それが効率的に最善のはず…!>
山盛り…特盛…!
テンコ盛り作戦っ…!!
だが、皿は浅め。
あまりにも盛ると、料理を床に落とす危険があると発覚。
<よしっ…!散々意気込んだが…テンコ盛りはやめておこう…!!>
結局、わりと普通に盛る。
ジャーン……!
降臨する!農家の台所っ…!!
(この日のメニューは上記)
<やっぱり人気のあるメニューと…ないメニューがあるんだな…>
料理を取りに行った際、大皿に入れられた料理の残り具合を見て、そう思った。
いかにも好き嫌いが分かれそうな野菜を使った料理は、残り気味。
万人受けしそうな野菜を使った料理は、すでに売り切れ寸前といった雰囲気。
<俺は食べる…何でも食べる…!
食べて食べて…食べまくる…!いっぱい…いっぱい…>
(はい!ご一緒に!笑)
いっぱい食べて、大きくなります!
テーブルの脇に見つける。
道の駅などでよく売られている物。
高知県産!柚子唐辛子!
<大変だ…!大変なことになった…!
俺…これ前から一度試してみたかったんだ…!>
しかし何にかければいいのか、わからなかった。
とりあえず唐揚げにパラパラとふりかけてみた。
食べてみた。
<おおおっ……!>
なすのタタキや、白和えなど。
ウチのオバ=アも作る料理だが、オバ=アが作るのとは、また味が違っていて感じる、料理の奥深さ。
<子供の頃…友達の家でご飯をご馳走になったときの心境を彷彿とさせるぜ…!>
一通り食べた。
おかわりだ…!
<ククク…いなり寿司を4個取ってきてやった…!>
いなり寿司や五目寿司の中には、微塵切りにされた生姜が入っていた。
<旨いっ…!柚子酢の効き加減が絶妙…!
そして何より……何より………!>
生姜が旨いっ…!!
シメにコーヒーをいただく。
これもセルフで飲み放題。
<いやぁ…激戦だった…!オカズだけだとあまりお腹が張らなかったから…調子こいて…いなり寿司ガブガブ食べたら悶える羽目になって絶頂さ…!>
今年の『農家レストラン』の開催は、これで最後。
次回は年明けからとのこと。
<聞けば…オバチャンたちのチームはいくつかあって…週ごとにチームが違うらしい…!同じチームでも毎回作ってくれる料理は違うだろうし……>
食べ終えて高級な軽自動車へ戻る。
<こりゃあ…年が明けたらまた来なきゃね…!今度は冬野菜バリバリかっ!?シシ鍋とか…やってくれないかな…!>
キーを回すと高級な軽自動車は、絶叫するように、悲鳴みたいなエンジン音を響かせた。