ファミリー喫茶 シーランド ~魔法の成分ブタミン~

投稿日:2014.07.01 更新日:

目が覚めると憂鬱な気分だった。
いったいどういうわけだろう。憂鬱だ。

嫌な夢でも見たのだろうか。わからない。思い出せない。とにかく憂鬱で心の中が真っ暗だ。

<豚を食べたい>
と私は思った。<豚を食べれば大丈夫だ>

最近、私の周りで脚光を浴びている成分、「ブタミン」

「ブタミン」とは、豚肉の中に含まれている成分だ。でもその存在を知る人は少ない。

またブタミンは、うどんと一緒に摂ると効率が3倍アップになると言われている。

<豚肉と…うどん………>

ほぼすべてのうどん屋に「肉うどん」があるおかげで、牛肉とうどん、という組み合わせはよくある。

しかし、豚肉とうどん、という組み合わせは提供店が限られている。

そのため通常ならば店選びが難航するところだが、私はいつブタミンが欲しくなっても構わないように、あらかじめ店を選抜してある。

『ファミリー喫茶 シーランド』

高知に何店かある"うどん推しの喫茶店"。その中の一店「シーランド」

南向きの窓に近いソファーに腰を下ろしてメニューを眺める。

<ブタミン……ブタミン……>

窓からわずかに光が射し込んでいる。ソファーが柔らかい。毬藻みたいに柔らかい。

程なくして、豚を使ったうどんを発見。

「カツカレーうどん!」

<うわぁぁぁっ……これだ……!これで
…ブタミンを摂取できる……!>

あと少しでブタミンが私の体内に……。
そう思うだけで手が震える、心が踊る。

「すすす…すみません………!」

ドモりながら注文して待っているあいだも手の震えは収まらなかった。それどころか、やがて全身が震え始めた。

おそらく、このあと私は目の色を変えてカツカレーうどんを貪ることになるだろう。

それを不審に思った店員さん、あるいは他のお客さんに声をかけられた場合も想定して、いまの内に言い訳を練習しておかなければならない。

私は全身を震わせながら脂汗を流し、何度も呟いた。

「アンナカだと思っていた!アンナカだと思っていた!」

欲しいと思えば思うほど、脂汗が滴る。
<早く……早くっ……ブタミンをっ……!>

『カツカレーうどん』

<期待通り…いや期待以上の異常なカツの量……!いけるっ……!これなら幸せになれる……!!>

いよいよブタミン摂取の始まりだ。

<カツからいこうか、うどんからいこうか>
悩んだ。思春期の恋みたいに悩んだ。

<でも…ここはあえて……サラダからだ……!>

噛むごとに、レタスやキュウリが口の中で砕けて弾ける。
<栄養素が行き渡る…身体にっ……!>

サラダを何口か食べた。鼻息が荒ぶっている。

<もういいだろう……そろそろブタミンを摂取しないと危険だ……>

箸でうどんを持ち上げる。うどんにカレーが纏わり付いている。

一口食べた。カレーにコクがある。麺線は滑らかだ。自分の表情筋が緩むのがわかる。

<もうダメだ…我慢できない……!>
いよいよ豚。トンカツを食べる。

<来るぞっ…来るぞっ…ブタミンっ……!>

弾ける衣。サクッサク。
肉厚とともに全身を駆け巡るブタミンパワー。

飛んだ………!

憂鬱の「憂」が飛び、続いて「鬱」が消し飛んだ。

豚に含まれているかもしれない成分、ブタミン。
それは元気が出る魔法の成分。

ファミリー喫茶 シーランド

◆ ファミリー喫茶 シーランド
(高知県高知市仁井田1612−12)
営業時間/8時~16時 ※11時まではモーニングタイム(うろ覚えなので要確認)
定休日/日曜日・第2第4土曜日
営業形態/喫茶店
駐車場/有

(からあげうどん700円、かきあげうどん580円など)
『ファミリー喫茶シーランド』の場所はココ・・・!

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竜一

1982年生まれ。高知で生姜農家をしています。うどんをかぶって寝たいほどうどんが好き。ラーメンとカフェも好き。農業家/ブロガー/農業界のうどん野郎/農業は生姜一本で稼いでます。

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