<サーモンピカタ!>
高知市桜井町にある洋食のお店「テンゾーネ」
そのメニューに、「サーモンピカタ」と書かれていた。
私はサーモン、つまり鮭が大好きだ。
回転寿司の「スシロー」に行った際には、通常の「サーモン」はもちろん、「とろサーモン」に「焼とろサーモン」「炙りサーモンバジルチーズ」と、未曾有のサーモンメドレーを開始してしまうほど大好きだ。
そんな愛するサーモンが、テンゾーネではピカタスタイルで提供されるというのだ。
さすがのスシローでも、サーモンのピカタ寿司は回ってこない。
そもそも私はピカタという料理自体、ロクに食べたことがない。
以前、豚肉を使って「ポークピカタ」を家で自作したことがあった。
しかし、あれはピカタといえるものだったのだろうか。わからない。私はピカタを食べたことがなかったのだから。
<ピカタが食べたい>
私は強く思った。<俺の好きなサーモンが、よくわかっていない料理、ピカタになった姿を見てみたい>
メニューの記載によると、サーモンピカタが組み込まれた「本日のランチ・C」
これには「豚ロールカツ」と「煮サバ」、さらに「和風スープ」と「サラダ」に「ごはん」まで付いてくるらしい。
<いっぱい食べて大きくなれそう!>
自分の目が、汚れを知らない少年のように輝くのを感じた。
「サーモンピカタ」という料理を、生まれて初めて見たのは十数分後だった。
おそらく本来の主役だと思われる「豚ロールカツ」が存在感を放つ中、脇にチョコンと載せられている。
鮭弁当においてはもちろん、今回だって私の中では主役であるサーモン。それがこの皿というスクリーン上では、豚に主役を譲り、脇役に回っている。
こんなに能力のある魚が、他にいるだろうか。
「いや、いない」
<なんて器用な魚だろう>
私はサーモンの魚としてのポテンシャルの高さに惚れ惚れした。
自分がサーモンの立場だったら、同じことができるだろうか。
「いや、できない」
ご飯や味噌汁、煮サバなどをつまみ、散々焦らしておいて、いよいよサーモンピカタに手をつける。
「おおっ!美味しい!」
私は率直な感想を述べた。「サーモンも去ることながら、上にかかったタルタルソースがまた…!」
私はタルタルソースも好きなのだった。
好きな魚に、好きなソースという組み合わせ。
うどんも美味いが、ピカタも美味い。
むしろこのピカタを、うどんの上に載せて食べたい。
なんだか「釜玉」に合いそうな気がする。
名前の響きだっていい。
「ピカタ」だ。パ行の響きが堪らない。
ピカタ光ねっと。
みたいな………。
言いたかった……。
どうしても、ピカタ光ねっとって言いたかった……。
ピカタは1ギガbpsの超高速で、全身に旨味を駆け巡らせた。
◆ 桜井町2丁目食堂 テンゾーネ
(高知県高知市桜井町2丁目1-5)
営業時間/
11:30~14:30
17:30~22:00(火曜日は夜のみの営業)
定休日/月曜日
駐車場/有