「ぐぇぇぇえええ…」
日付けも変わった深夜。
高知市はりまや町にある『一両うどん』の前で、私とブランは待ち合わせていた。
「待ったか、ブラン」
私が訊くとブランは苦々しい表情を浮かべた。
「だいぶ飲んだみたいだね」
酔っていることは自覚していたので、「ぐへへ」と笑って誤魔化した。
元々、犬であるブランが人間の姿でいられるのは、1日24時間の内の1時間まで。
それでは店で長時間酒を飲むのは不可能だったし、はなから彼は酒が飲めなかった。
シラフのブランと2人で店に入ると、店主が声をかけてくれた。
なんと私が以前に来たことを覚えてくれていたようだった。
「前回来たのって、一年半ほど前だよ!?」
(そのときの記事はコチラッ!)
ブログも読んでくれたと言う。
嬉しくて。
嬉しくて。
テンションがスカイツリーの高さまで上がった。
「なんにしよっかなー」
カウンター席に腰を下ろし、背後の壁にかけられたメニューを見る。
しかし酔っている上にテンションを上げられたので、頭が回らない。
そんな私を尻目にブランが先に注文した。
「お……お前決めるの早いなー」
私が言うと、ブランが笑った。
「竜ちゃん、エビ天にしたらいいじゃん」
「あぁ…エビ天いいなぁ」
一応、他のメニューも一瞥した。「エビ天にしよう!」
一両小判みたいに
輝く出汁に浮かぶ、エビ。
エビの強襲っ…!!!
ああっ…………!
麺がっ………!
麺がっ………!
むしろ麺もエビも………!
プリンプリンの食感で………!
あぁ………!
あぁぁあぁぁぁ………!
喉越し爽快っ…!
麺が…ちゅるんって……!
喉を…ちゅるんって………!
そして…このエビ天がまた………!
このエビ天が憎たらしい…!
最初…たった1本しか入ってねぇの?って思った…!
思ったさ…………!
でも違う………!
俺は間違っていた……!
1本しか入っていない……!
だからこそ……!
感じるんだよ………!
エビの……!
ありがたさをっ………!
あぁっ………!
エビちゃん………!
エビちゃん
ありがとう!!
「そうだ!ブランもちく天にお礼を言わなきゃ!」
ブランが食べていた、
ちく天が入ったうどんも………。
でかーい!
ちく天、でかーい!
我々は声を合わせた。
ちく天さん、ありがとう!
◆ 一両うどん
(高知県高知市はりまや町2-1-7)
営業時間/夜のみ営業(未確認)
定休日/未確認
営業形態/一般店
駐車場/無
(メニュー)
「一両うどん」の場所はココ!