「さきっちょ」は閉店されましたが、以下リンク先のお店でミルクラーメン食べられます▼
俵屋ダイニング和 - 高知伝説のミルクラーメンが食べられる最後の店
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同級生から『ミルクラーメン』の話を聞いて、
当時まだ中学生だった私は子供ながらに思った。
「なんじゃそりゃ」
白いミルクの中に麺が沈む光景を想像した。
「めっちゃ不味そうやな…」
しかし、それを食べた同級生は、
みんな口を揃えて「美味しかった」と絶賛する。
「この味を知らないなんて、人生の9割を損しているよ」
みたいな勢いで言うので、それならばと私も食べに行ってみた。
当時、追手筋でミルクラーメンを出していた、
『へそまがり』という店にだ。
食べた結果。
14歳だったころの私の正直な感想。
「び…微妙……」
みんな「スープがポタージュスープみたいな味でミルクという感じじゃない。だから美味しいのだ」と豪語していたが、個人的にはそれが微妙な部分だと思っていた。
ラーメンのスープが、
ポタージュスープ味っていうこと事態が微妙だと。
「醤油」や「味噌」など普通の味のラーメンがたくさんある中、
どうしてわざわざポタージュスープ味のラーメンを食べないといけないのか、だ。
いつしか時は流れた。
私は初めてミルクラーメンを食べた歳の倍以上の年月を生きていた。
三十を回った。
酒も飲むようになったし、うどんも食べるようになった。
そんなある日、高知市帯屋町にある『ひろめ市場』の中に『さきっちょ』という店ができた。
おもに手羽先とチューリップを売る店で、
美味しいのでよく買って、ひろめ市場内で酒のツマミに食べていた。
その日もいつものように『さきっちょ』にチューリップを買いに行くと、
店先に一枚の張り紙があることに気が付いた。
私は無意識の内に、そこに書かれた文字を読んだ。
「ミルクラーメン……」
なんとも懐かしい響きだ。
<ミルクラーメンって……
あのミルクラーメンか……?>
時は21世紀。
インターネット全盛の時代。
すっかりサイバー農民と化していた私はネットで調べ上げた。
間違いない……!
さきっちょのミルクラーメンは……!
現代に蘇りし伝説のミルクラーメンだ…!!
是非、また食べてみたいと思った。
またあのころと同じように微妙な味だと感じるかもしれない。
それでもいいから食べてみたい。
タイムカプセルを掘るような気分だった。
早速『さきっちょ』に行き、
十数年ぶりにミルクラーメンを食べた。
あれ……
美味しい……!
『さきっちょ』のミルクラーメンは、
失礼な話、驚くほど美味しかった。
昔の味と同じなのか、変わっているのか、
そんなことはわからない。
でも………。
こんなんやったっけ?
と驚く味だ。
もしかすると私の味覚や味の好みが変わっているせいかもしれない。
しかしそれにしても………。
以来、私は『さきっちょ』のミルクラーメンを時々食べるようになった。
2014年末にも食べた。
この日はひろめ市場の北側の外にある、
BAR『サンクチュアリ』に持ってきてもらって食べた。
なにせ昔の話なので覚えていないが(笑)、
きっと当時の面影を残すか、同じビジュアル。
クリーム色したスープは、
ポタージュ味と言えばポタージュ味だが、
私の記憶にある味とはまた違うようにも感じる。
もちろん、それは私が歳を取ったからかもしれないけれど……。
でも相変わらず……
普通のラーメンではない。
コイツはいまでも……!
ラーメン界の異端児っ…!
だが、それがいい……!
普通じゃないところがいい…!!
いまになってわかった。
変なラーメン。
変だからいいんだ。
ありきたりなラーメンではない。
それで『へそまがり』だったのかな……。
「さきっちょ」は閉店されましたが、以下リンク先のお店でミルクラーメン食べられます▼
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