鉄板焼「崋山」ザ クラウンパレス新阪急ホテル高知でステーキディナー

2015.07.22

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鉄板焼「崋山」ザ クラウンパレス新阪急ホテル高知でステーキディナー

2015.07.22

深い絨毯の上を歩いていると、
次第に不安になってくる。

<大丈夫かな………>

普段は場末のうどん屋。
でも今日は違う。

『ザ クラウンパレス新阪急ホテル高知』の一角。

20100910-38.jpg
(上記の画像は阪急阪神第一ホテルグループ様のHPから拝借しています)

『鉄板焼 崋山 Teppanyaki KAZAN』

<俺は貴族!俺は貴族っ…!>
自己暗示をかけて入る。

重厚な造りのカウンター。
その上に大きな鉄板が載っている。

カウンターに並行して配置された椅子。
店のお姉さんに引いてもらい、腰を下ろす。

この局面、
すでにわかったことが……。

貴族は椅子を………
自分で引かなくていいっ……!!

<自分で椅子を引くなんて……
所詮は庶民……一般人よのぉ……!
ふはっ………!ふはっ…………!>

すっかり上流階級入りを果たした私は
メニューを開いた。

<おおお…………>

覚悟はしていたので驚かないが、
そのグレードは息を呑むのに充分なものだった。

カウンター上の鉄板を挟んだ向こう側に
白い服を着たシェフがいる。

<ビビッてなんかいない………!
この日のために諭吉を動員してきてんだ…>

先程から、なんだか目の焦点は定まらないし、
集中することができなくてよくわからないが、

コース料理には、
どれも牛のステーキが入っていて、
そのステーキに付ける
もう1品を選べばよいということのようだ。

今日は特別な日。

<エビでもアワビでもなんでも……
って……アワビのコース………
ににに……2万超え………!

あ…アワビは…やめよう!
アワビ・ダメ・クルシイ……!

エビと迷ったけれど、
結局、白身魚にすることにした。

クラウンパレス高知・崋山1

先程から、
新参者の貴族には慣れない局面が続き、
急激に乾き始めていた喉の上で弾ける泡。

<くわぁぁぁ……うまいっ………!>

生ビールが緊張をほぐす。
ほぐれすぎて酔っぱらってしまいそうだ。
<ほどほどにしておかないと……>

そして最初に出てきた『冷製茶碗蒸し』を頬張る。

近所のスーパーで時々、
100円もしない茶碗蒸しを購入して、
あえてレンジで温めず、冷たいままで食べたりするが、
あれとはまったく違った味わい。

同じ『茶碗蒸し』という食べ物だとは信じられない。

人間にムキムキマッチョと、
私みたいな「お腹に巨大な玉子でも入れてるのか!」
というようなブヨブヨタイプがいるようなもので、
茶碗蒸しの世界にもいろんなタイプがいるのだろう。

新参の貴族として勉強になったところで、
シェフに訊く。

「しゃ…写真撮ってもいいですか……?」

写真がないと屋敷に帰ってから
今日の"おさらい"ができないので困る。

「いいですよ!どうぞ!どうぞ!
どんどん撮ってください!」

二つ返事で了承してくれるシェフ。優しい!

そんなシェフに、
じつは来る前から考えていたジョークを飛ばす。

「すいません!僕ちょっと遠いところから来たんで…」
「あぁそうなんですか!どこの県からですか?」

想定通りの返答をしていただけて、
心の中で、キタコレ!とばかりに渾身のオチを発す。

「えーと、○○市の○○町というところから…」
高知県内の自分が住んでいる市町村名を言ってみるも…。

だ だ す べ り。

<中途半端に本当に遠い辺りも災いしたかな…>

これでは社交界で通用しないのではないかと、
自分のジョークセンスに自信をなくす。

クラウンパレス高知・崋山2

目の前で「ジュージュー」と良い音がし始める。
慣れた手つきで白身魚を焼き始めるシェフ。
<カッコイイ………!>

クラウンパレス高知・崋山3

梅肉が入ったソースに浸けて食べる。
<美味しい!>

レモンだけかけて食べる。
<美味しい!>

なんだかもうとにかく美味しい。

「これはなんていう魚なんですか?」
訊いてみる。

「イセギ」だとシェフが教えてくれる。

「あぁ………」
微笑を浮かべるも、それ以上言葉が出て来ない。

<イセギ…そんな名前の魚、
なんとなく聞いたこと…ある……>

クラウンパレス高知・崋山3

焼いてくれた白身魚が「イセギ」という魚だと知り、
さらにシェフに訊く。

「や…やっぱり季節によって
使う魚が違ったりするんですか?」

普段はコミュ障なのに、
なぜかこういうときだけ、わりと話せる。

「違いますよ、寒い時期なんかは……」
とシェフの話は続く。

異なる職業の人の話は興味深いし、
私は元々食べることが好きなので、
とくに料理人さんの話を聞くは本当に楽しい。

どんな仕事をされている方も…、
例えばビルの清掃員のおばちゃんでも、
医者でも美容師でも花屋でも服屋さんでも、
その道のプロであり、プロの話は面白い。

素人にはできない、
プロのみができる話なのだから。

目の前の鉄板では
シェフが肉を焼き始めた。

いよいよだ。
いよいよメインディッシュがやってくる。

クラウンパレス高知・崋山4

お肉キターーー!

ヒレかサーロイン。
選べる2種のお肉の中から、
若者である私はサーロインを選択していた。

「サーロインはA5ランクです」
とシェフが教えてくれる。(ちなみに黒毛)

<A5…………
用紙のサイズ………ではない………!
MAX……レベル…カンストってことか……!>

無駄だよ、そんな高級ものを食べさせても。
オラぁ大して違いがわかりゃーせん!
とも思ったが、

すでに私は貴族だ。

「ふーん、A5ね。よく食べてるよ」
という態度で貴族らしく振る舞う。

クラウンパレス高知・崋山5

ソースは3種出してくれた。
お好みで選んで浸ける。

ソースの内容も説明してくれたが、
阿呆なので一瞬で忘れた。

だが説明を忘れても、
舌の肥えた貴族なので、食べればわかる。

<左端は醤油ベースっぽいな…
真ん中はケチャップベースか……
右端は葉ワサビだな………>

貴族的に
A5ランクの牛なんか食べ慣れすぎていて、
もはやわけがわからないが、ソースの違いはわかる。

それが貴族というものだ。

肉を、付け合わせの野菜を、
組み合わせを変えて、
ソースに浸けて食べてみる。

<右端の葉ワサビベースが一番美味しい!>

一時期、葉ワサビを栽培しようとしたものの、
情緒不安定に陥り頓挫した
自分の黒歴史を思い出したが、美味しい!

<野菜にも……とくに肉によく合う!>

まだ二十歳前後だった頃、
私はよく弁当屋のマグロ丼に、
チューブのワサビを頭が痛くなるくらい
大量に伸ばして食べていた。

好きだ!ワサビ!

告白してしまうほどの旨さ。

クラウンパレス高知・崋山6

サラダは3つのドレッシングから選べる。
貴族の世界では大抵ドレッシングは選択制としたものだ。

私はマヨネーズ系のドレッシングを選んだ。

クラウンパレス高知・崋山7

野菜も炒めて出してくれる。
<あ!平民だった頃によく食べたモヤシだ!>

過去を懐かしむ。
<よくモヤシと豚肉を炒めて食べたものだ……>

しかしいまの私はすでに貴族。
あのような生活をすることは二度とないだろう。

目を細めていると、シェフから、
「これからシャッターチャンスがあるから、
撮りませんか」
という趣旨の提案がある。

ありがたいっ……!
なんて優しいシェフなのだろう!

「まだですよ…!」
「は…はい………!」

カメラを構え、待つ。

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クラウンパレス高知・崋山8

ファイヤー!

クラウンパレス高知・崋山9

炎上後、焼きあがった肉!お肉!

クラウンパレス高知・崋山10

やわらかい………!
融ける…………!

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さらに少しだけ、ヒレも食べさせてもらえる。

<サーロインもやわらかかったけれど…
ヒレはもっとやわらかい………!>

「サーロインはぎゅーーんで、
ヒレは………ぎゅん!だ……!」

と私はシェフに感想を述べた。

シェフは笑っていた。

肉、野菜、肉と、
都合2回来た肉のターンでお腹もいっぱい。

しかしまだこれからが締め。

クラウンパレス高知・崋山12

ガーリックバターライスみたいなものがくるっ…!

クラウンパレス高知・崋山13

赤出汁もくる!漬物もくる!

<すげぇな……貴族の世界………!
稼ぎも胃袋も相当大きくないとやっていけないぜ!>

普段からうどんの特盛で鍛えている私も、
この局面さすがに満腹。

満腹量125%だ。

<このあと飲みに行こうと思ったけれど、無理だ…
もうお腹になにも入らない………>

クールダウンしていると、
デザートがきた。

もう食べれないって言ってんのに……!

って……!

新阪急………!あんた!

すごいな!これ!

クラウンパレス高知・崋山14

ボリュームたっぷり鉄板焼フルコースの結末は、
予想外のサプライズだった。

クラウンパレス高知・崋山15

ありがとう。hiraokaさん。
いただいたケーキは持って帰ってみんなで食べました。

◆ 鉄板焼 崋山
(高知県高知市本町4丁目2−50 ザクラウンパレス新阪急ホテル高知2F)
営業時間/
11:30~14:30(ラストオーダー14:00)
17:30~21:00(ラストオーダー20:30)
定休日/月曜日
駐車場/有