濃厚なラーメンが食べたいんだったら「天一」にでも行けよ、というわけで『天下一品』にやってきた。
昼食を食べるにしては遅い時間だったけれど、店内は満席に近かった。大体いつ来ても同じような安定した客入りなので、天一のファンは常に一定数いるのだなぁと思った。
以前は苦手だったけれど、食べられるようになった天一のラーメン。いまはむしろ好き。納豆みたいなものだ。
子供の頃は臭くて嫌いだった納豆が、大人になってから大好きになった。納豆の枕で寝られるくらいに。
<今回は『こってり』にしようかな>
そんなことを考えながらメニューを開くと、そこに『京都白味噌ラーメン』なるラーメンがあった。
<これ食べたことねぇや>
惹かれた。しかし舌は"こってりモード"になっている。<んんん…>
わずかに悩んだけれど、結局『京都白味噌ラーメン』を大盛で注文した。
注目は「こってり」しているのかどうなのか。
<天一だからやっぱりこってりなのか!それとも意外とあっさりなのか!>
食べずとも、箸で麺を持ち上げたとき、すでに答えが出た。
<重い…器の中に引き戻されるようだ……>
麺にスープが絡むなんてもんじゃない。スープの圧倒的粘着力。
<味噌もこってりなんや…>
泥のように硬いスープから、味噌の香りが湯気と共に強烈に漂ってくる。
<ふぉぉぉ…>
スープでまとめられた麺が束になって、胃に落ちる。ずっしりと重い。
血圧が…け……血圧が………。
すっごくすっごく上がっちゃいそう……。
だがこれがいい。
血圧を上げてこその天一。
血圧を上げない天一に何の価値が!
狂ってきた。脳味噌が京都白味噌になった気分だぜ。
きょうとぉぉぉ~!おぉーはらさんぜんり♪
あっひゃひゃひゃひゃっ!
終。