月別アーカイブ:2014年01月

ひろめ市場「タタキ丼」の迷宮 番外編/味太郎・K's Cafe

『EP5を読む』 かくして5杯分。タタキ丼の迷宮を彷徨った。 しかし私は、なにもタタキ丼ばかりを追い求めていたわけではない。 『ひろめ市場』には、和洋中なんでもある。 和洋中で言うと、タタキ丼は「和」だ。「和」ばかりではバランスが悪い。 世の中は何事もバランスが重要だ。 タタキ丼を食べる合間に、洋食や中華を食べる必要が、私にはどうしてもあった。 <どうしよう…タタキ丼以外に何か食べなきゃいけないけど…どうしよう…> 悩みつつ『ファミーユ』で何処かのタタキ丼を食べている最中。辺りを見渡していると目に入った、 ...

手打ちうどん かめや かめうどん

浜辺を歩いていると亀がいた。亀は案の定、数人の子供たちに囲まれていた。 「こらっ!亀をいじめるんじゃない!」私がすかさず蚊の羽音ほどの声量で言うと、子供たちはパッと散って行った。 「大丈夫だったかい…怪我はないかい…」助けた亀に声をかけると、亀は私に深々と頭を下げて礼を述べた。 そして当然、竜宮城へ行く運びとなった。 だが私はそれを断わった。 「だがっ…!断わるっ……‼︎」 というノリで断わった。 しかし亀は、それでは申し訳が立たないと言う。竜宮城に行ってくれないのであれば、せめて…と言う。 「せめて…な ...

ひろめ市場「タタキ丼」の迷宮 EP5/お城のいちばん船

『EP4を読む』 ドンブリを手に、ファミーユのカウンター席に戻った。隣に座る、愛媛から来たご夫妻の旦那さんが目を丸くした。 「まっ…!また食べるんですか…?」「え……ええ………」 いったいどういうわけだろう。私はまたしても『タタキ丼』を手に抱えていた。 <ダメだ……!俺はもう俺自身にも止められない…!> うどんに溺れ始めた初期の頃と同じ…! 食べたい…逢いたい…!逢って食べたいという意思に自制が効かない…! この感覚は危険…! 観始めたら気になり…追い続けてしまう…月9ドラマの恋の行方のように…! タタキ ...

白銀の恋

「綺麗……」目が合った瞬間、無意識に声が洩れた。 色白の肌。水色のアイシャドウ。 「綺麗………」僕はまたもう一度、無意識に呟いた。 そこだけが一面、銀世界だった。 やわらかく降りそそぐ雪。その中に立つ彼女。 僕は静かに歩み寄り、彼女を抱きしめた。ツルツルした感触が、手を通して伝わってくる。 「素敵だよ…君は薔薇よりも美しい…」 今夜は、離さない。 日清の期間限定!ホワイトさん! 新しいヤツが、またきた。 「今日はこれ喰うで!」

ひろめ市場「タタキ丼」の迷宮 EP4/吉照(よししょう)

『EP3を読む』 正月時期。ひろめ市場。『ファミーユ』のカウンターは満席。 「高知の方ですか?」左隣に座る短髪のオジサンが言った。肌が少し陽に焼けていて、綺麗な褐色をしている。 「そうです!高知です!」オジサンは愛媛県から来たのだと言った。奥さんも一緒だった。オジサンのさらに左隣に座っていた。 ソルティードッグ経由からのウィスキー。すでに2杯目。 「ファミーユ…初めてですか?」コミュ障農家、頑張ってオジサンに訊いてみた。 「もう何回もきてますよ!高知に来るたびに寄ってて…年に…そうやなぁ…年に何回ぐらいや ...

ひろめ市場「タタキ丼」の迷宮 EP3/くじら専門店・千松(せんしょう)

『EP2を読む』 気が付けば俺は…!ひろめ市場の雑踏の中…!鰹と未来予想図を描いていた…! 鰹に向かって……!ブレーキペダルを5回点滅させている場合じゃない…! <ダメだ…ここで踏みとどまらなきゃ…!このままじゃ……鰹取りが鰹に………!!> ヨロヨロと立ち上がった。タタキのタレの味が、舌の上に残っている。 「もう1杯食べたい…あと1杯だけ……」しかしダメ。自分の気持ちを抑えなくてはいけない。 おそらく、ひろめ市場内には、まだたくさんのタタキ丼が存在する。<でもダメ…!踏みとどまらなきゃ…ダメっ…!> おぼ ...

ひろめ市場「タタキ丼」の迷宮 EP2/どんぶりの十三(じゅうぞう)

『EP1を読む』 お吸い物を飲んでいると、アテが欲しくなった。『本池澤』のタタキ丼は、もう食べ尽くした。 酒を飲んでいると、炙ったイカが食べたくなるように、液体にはアテが欲しくなる。 アテが欲しい。 アテを求めてひろめ市場内を、 アテもなく彷徨った。 とある店先で足を止めた。<ぬおっ…ここにもあるのか…タタキ丼…!!> 『どんぶりの十三(じゅうぞう)』という店だった。<ドンブリ屋のタタキ丼…!これは…期待値高めっ…!> そうだ…これを…!このタタキ丼をアテにしよう…!! 注文して、お兄さんに作ってもらう。 ...

ひろめ市場「タタキ丼」の迷宮 EP1/本池澤

(上記画像は以前に撮影したものの使い回しです!) 外は肌寒くても、中は熱気に包まれていた。2014年。年始の『ひろめ市場』 地元民を始め、観光客や帰省客。座る席がないほど賑わっている。 <前に進むのも大変な状況…>人々の合間を縫い、歩く。 <なに食べようか…>探す、昼食。 軒を連ねる各店。和食や中華、洋食の店など様々あるが、その中でもダントツに多く目にする文字列。 『カツオのタタキ』 <いったい何店ぐらいあるんだろう…ひろめ市場でタタキを提供する店…> 以前食べた『明神丸』の『塩たたき丼』の記憶が蘇る。< ...