ひろめ市場「タタキ丼」の迷宮 EP1/本池澤

投稿日:2014.01.06 更新日:

昼のひろめ市場
(上記画像は以前に撮影したものの使い回しです!)

外は肌寒くても、中は熱気に包まれていた。
2014年。年始の『ひろめ市場』

地元民を始め、観光客や帰省客。
座る席がないほど賑わっている。

<前に進むのも大変な状況…>
人々の合間を縫い、歩く。

<なに食べようか…>
探す、昼食。

軒を連ねる各店。
和食や中華、洋食の店など様々あるが、その中でもダントツに多く目にする文字列。

『カツオのタタキ』

<いったい何店ぐらいあるんだろう…ひろめ市場でタタキを提供する店…>

昼のひろめ市場 明神丸 塩タタキ丼

以前食べた『明神丸』の『塩たたき丼』の記憶が蘇る。
<カツオのタタキは食べたことがあっても…"タタキ丼"というのは初めてだった…>

よく見ると、『カツオのタタキ』のほかに『カツオのタタキ丼』も、たくさんある。

南入口近くにある『本池澤』
その前で足を止めた。

店先には、タタキ丼の食品サンプル。
<ここにもあった…タタキ丼…!>

食べてみるか…!?

しかし不安もよぎる。
<この局面でタタキ丼を食べると…>

かつて…うどんの魅力に絡め取られ…
いまでもうどんから逃れられないように…

<なにか後戻りできなくなるような気がする…>

目の前にある『本池澤』のタタキ丼を食べるか食べまいか、人混みの中で迷った。

<考えてもみろ…タタキ丼とうどんは共通項が多い…!うどんと同じで作り方がいたってシンプル…なのに…おそらく各店でアレンジが違ったり…味が違ったりするだろう…もちろんカツオ自体の良し悪しも関係してくる…単純だけど奥深い…まさにうどんと同一の要素…>

うどんで人生、狂った。
今度はカツオに狂わされるかもしれない。

この決断にかかっている…!
未来が……!一生がっ……!!

<食べるか…食べないか…!>
揺れる心。揺れて徐々に傾く。

「食べる」…!!

<やらずに後悔…やって後悔の話じゃないが…人生はある意味その局面ごとのワンチャンス…!>

ダメならダメでいい…!

どうせなら…!
強く張って逝きたいっ…!!

一席だけ空いている席を見つけ、ジャケットを脱いで席を確保。
それから再度向かった、『本池澤』にて注文。

「か…カツオのタタキ丼を…!」
すぐ作るから待っていてくれ、と店のオバチャンが言う。

目の前、オバチャン2人が連携プレー。
素早くタタキ丼を作り、手渡してくれた。

ひろめ市場グルメ1

『本池澤・鰹タタキ丼』
(780円)

<明神丸の"塩たたき丼"は味噌汁付きだったけど…本池澤はお吸い物付き…!それに薬味はよくあるニンニクのスライスではなく…おろし生姜…!

容器に入ったタレをかけ、載せる生姜。
炸裂する迫力、世界遺産級の絶景。

ひろめ市場グルメ14

強烈な踏み込み…!出足…!
開始早々…一気に押し込まれた…!!

俺はすでに土俵際…!!

口に含む。
噛むと融けて消え去るカツオ。
涼宮カツオの消失。

<融けた…!カツオは…噛んだ瞬間に…全部融けて流れた…!>

きっと還ったんだ…。
カツオは海に…還ったんだ…。

ひろめ市場グルメ2

丼上に載ったカツオは、全部で5切れ。
1切れ食べるごとに、1切れずつ海に還っていく。

ドボーン!
ドボーン!

還っていく…!
海へ…ふるさとへ…!!

立て続けに帰還…!
カツオの里帰り……!!

<どうだいカツオ…キミが育った黒潮の海は…!>

すると聞こえた、カツオの声。
「最高ぜよ!黒潮最高ぜよ…!」

幻聴だと人は言うだろう。
だが実際は違う。

みんなはノイズに惑わされ…
その声がとどかないだけ……

俺には聞こえる…… 
カツオのタタキの声……!

酢、ほどよく効いた、ご飯。
カツオの自然な甘味が引き立つ。

<甘い…カツオがほんのり甘い…!
カツオよ…キミは本当に甘いんだね…>

「やろっ…!?そうやろっ…!?俺…甘いがぜよっ…!」

上機嫌で答えるカツオ。
ご飯をお吸い物で流し込む。

長い昼が始まろうとしていた。

(EP2へ続く…!)
『EP2を読む』

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竜一

1982年生まれ。高知で生姜農家をしています。うどんをかぶって寝たいほどうどんが好き。ラーメンとカフェも好き。農業家/ブロガー/農業界のうどん野郎/農業は生姜一本で稼いでます。

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