<こうなってるんだ・・・>
初めての空間に私は驚く。よくある4人掛けのテーブル席などというものはない。<全部カウンター席・・・!>
その一角に腰を下ろして、メニューを見る。
十以上のラーメンの名前が記載されている。<ほむほむ・・・>
それを大きく分けると3通り。通常のラーメンか、カレーラーメンか、つけ麺。
(※ クリックすると拡大して表示します。訪問したのは6月上旬です)
<昨日の晩ごはん、カレーライスだったんだよな・・・>
私はまだそのカレーの味や香りを鮮明に記憶している。<カレーラーメンはないな・・・>
「カレーライスの翌日に、カレーラーメン」
それはない。
「はなまるうどん」にて来店機会3連続でカレーを食べて、
プロカレー選手憧れの「カレーなる猛打賞」を達成した私でも、それはない。
でも口が勝手に動く。
「炙り叉焼カレーらうめん・・・!」
そう男性店員さんに告げてしまう。そしてもちろん・・・。「大盛で・・・!」
いっぱい食べて大きくなります。
ちゃんと"ラーメン"ではなく、メニューの記載のとおりに"らうめん"と私は言い放ち、さらにいくつかの注文をして、のんびり待つ。
真新しい木のカウンター。
右手で撫で撫でしてみる。
<うへぇー!>
私はその手触りに感動する。<適度な摩擦・・・!いい具合にキュッキュッしてる・・・!>
そうしてカウンターの摩擦を確かめていると、ラーメンだけでは大きくなれないから、と注文した『焼餃子』が先にきた。
餃子はタレの横には「大根おろし」が添えられている。
この大根おろしをつけて食べるとよい、と男性店員さんが教えてくれる。
<餃子に大根おろし・・・!>
どれどれ。箸を向ける。大根おろしをつけて一口食べる。すると私の中を高速で鉄道が駆け抜ける。<しんかんかく・・・しんかんせん・・・>
厚めの皮。噛むと衣の内側から油と肉汁が溢れ出る。
しかしサッパリ。油っこい奴らを大根おろしが受け止める・・・!
それから今夜の主役。
『炙り叉焼カレーらうめん(大盛)』がきた。
褐色のカレースープ。
その上を席巻するキャベツ群と、肉厚の炙り叉焼。
なんだこの厚さ・・・!
圧倒的!絶壁っ!断崖絶壁ッッッ・・・!
叉焼の大きさは、
幸せの大きさだ。
(by ニーチェ リューイチェ)
ひとしきり叉焼に絡んだのちに、箸で麺をつまみ上げる。
<ちぢれてる・・・!>私は見たままを思う。<ちぢれ麺だ・・・!>
ちぢれ麺が、ちぢれている部分にスープを乗せて連れてくる。
口へ運ぶ。麺ブルンブルン。フワッとカレーが香る。
そのあとに魚粉。いや、魚群。
ドーンと魚が全力で攻撃してくるっ・・・!
<想像していたよりも・・・ぎょぎょぎょ・・・!>
私は麺を口へ運び続ける。<魚だッッッ・・・!>
それから『半玉子炒飯』も揃う。
<ラーメン大盛・・・!餃子・・・!これだけでは大きくなれない・・・!>
私はレンゲを手に取り、玉子炒飯に迫る。<炒飯も食べないと、立派に大きくはなれねぇっ・・・!>
具は、本当に玉子とごはんのみ。
でもシンプルだけれど奥行きがある味。
どちらかというと濃い部類に感じるラーメンの味。
それに対してこのシンプルな炒飯。箸休め的に、合う雰囲気!
ドンドン食べ進める。
お腹いっぱい食べられる幸せを噛み締める。
モグモグ・・・モグモグ・・・モグモグ・・・。
卓上に置かれた、取り放題の「辛しもやし」と「高菜」をツマミながら、さらに食べ進める。
モグモグ・・・モグモグ・・・モグモグ・・・。
モグモグ・・・モグモグ・・・モグモグ・・・。
あれ・・・あれ・・・?
一瞬、目の前が真っ白になった・・・。
目の焦点がボヤけている・・・。
私は懸命に焦点を合わせようとする・・・。
すると段々と焦点が合ってくる・・・。
<あぁ・・・>
と私は息を漏らす。<キミは炙り叉焼らうめんじゃないか・・・!>
いったいどういうわけだろう。
私の目の前には『炙り叉焼らうめん』が置かれていた。
こまけぇこたぁ気にせずに、私はそれを食べる。
<おぉっ!これは・・・!カレーが入っていない分、ダイレクトに魚介が攻めてくる・・・!>
魚が脳天直撃。
「カレーらうめん」と麺が違う。
「カレーらうめん」は、ちぢれ麺だったのに、「炙り叉焼らうめん」はストレート麺。
そして"炙り叉焼"は3枚も乗っている。
私はその肉厚に迷うことなく、かぶり付く。
かぶり付いて実感。
この叉焼は、俺を幸せにする・・・!
ドドドドドドドド・・・。
◆ らうめん夢鶴(むかく)
(高知県高知市南川添13-13)
営業時間/11:00~21:00
定休日/不定休?
駐車場/有