四万十うどん「かっぱ亭」道の駅とおわ/駐車場内のうどん屋さん

2015.08.12

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四万十うどん「かっぱ亭」道の駅とおわ/駐車場内のうどん屋さん

2015.08.12

よっしゃあ!うどん行こうぜぇー!
勢いよく『カフェ オルソン』を飛び出した。

すごく勢いが付いている。
勢い余って…とは、こういうことを言うのだろう。

気が付けば車で二時間半、
四万十町十和まで来てしまっていた。

四万十うどん かっぱ亭14

休憩がてら寄った『道の駅 四万十とおわ』の販売所を出て、四万十川を眺める。

<随分遠いところまで来たもんだ。
この辺りにはうどん屋もなさそうだ。そろそろ帰るか…>

って…………!

不意に思い出した。
<そういえばこの駐車場の端に、
「うどん」と書いたのぼりが立っていた記憶が…!>

一歩も歩きたくないほどの暑さだった。
車に乗って駐車場の中を移動した。

四万十うどん かっぱ亭1

駐車場の端まで行くと、
見覚えのある木造の建物が建っていた。

出入口に紺色の生地に白で
「うどん」と書かれた暖簾がかかっている。

<ここだ……>

四万十うどん かっぱ亭13

ふり返ると、さっきまでいた道の駅が遥か彼方に見える。

<あちらからこちらまで車で来て本当に良かった。
この暑さ、この身体で、絶対に歩きたくない距離だ>

暑い。本当に暑い。
風もまったく吹いていない。
釜の中で湯がかれるうどんになったみたいだ。

十和は、釜揚げうどんみたいな熱気に包まれている。

四万十うどん かっぱ亭2

出入口まで、あと二歩半という位置に立っていたメニューボードの前で足を止めた。

うどん、うどん、うどんと書かれている。

嬉しくなってしまい、変な声が漏れた。
「うっひっひっ………!」

午後三時。
朝食が遅かったこともあり、あまりお腹はへっていない。

それでも食べたい。
「食べてるときが一番幸せっ…!」

心の中で、何か、
タガが外れようとしていた。

「いっぱい食べておおきくなります」

四万十うどん かっぱ亭3

おそらく照明が点いていなかった。
やや暗めの店内。
柔らかな自然光が射し込んでいる。

一枚板の大きなテーブル席に座ると、
可愛らしい女性の店員さんが、冷たいお茶がある場所を示してくれた。

お茶はセルフサービスの模様。
額から落ちる汗を自前のハンドタオルで拭い、取ってきたお茶を一口。

口から食道を通って胃へ。
冷涼感が全身を駆け巡る。

<ありがたい………>

四万十うどん かっぱ亭4

大型の扇風機はあるが、エアコンがない店内。
窓から入る風もないので、正直言ってかなり暑い。

「暑いときこそ熱いものを」
と、よくいう。しかしいまは絶対に熱いうどんは無理だ。

幸い、メニューの記載によると、
6種類あるうどんは月見うどんを除く、
ほかすべてで「温」「冷」が選べる雰囲気。

<ここで食べるなら、これしかないよな>
「かっぱうどん」を注文した。川海苔を使ったうどんらしい。

四万十うどん かっぱ亭6

窓のすぐ外を、高名な四万十川が流れている。
青い川、青い空、緑の山。青と緑の世界。

四万十うどん かっぱ亭7

戦争、テロ、利権、金、出世。
つまらないことで争う人類を嘲笑するように、
四万十川はのんびりと水を流している。

四万十うどん18

<今日の俺、なんか悟り、開いちゃってるんじゃね?>
などと思っていると『かっぱうどん』が来た。

四万十うどん かっぱ亭10

うどんの上にコーンが載っている。
<このパティーン……初めて………!>

コーン、トウモロコシ。
高知では「キビ」と呼ばれたりもするそれを、しげしげ眺める。

<俺のまだ知らない世界が、
土佐の山間に広がっていたとは……!
恐るべき高知うどん…………!>

四万十うどん かっぱ亭12

川海苔が練り込まれているという、緑色した麺。
食べると海苔の豊かな香りが口の中に広がってくる!

「四万十川を食べているみたいだ……!」

さすがは「名言メーカー」と呼ばれる私だ。
この局面、またイケてる名言を口走ってしまった。

想像していたよりも、ずっと弾力のある麺。
噛み応え、喉越し。結構強い。

濃いめの出汁の中で、コーンの甘さが光る。

当初、なぜコーン?と思ったが、食べてみてわかった。
このパッケージにはコーンが必要だ。

野球で言うと、
大した打率も残せないのはわかっているけれど、スタメンで使う。

守備的なことを考えると、打てなくても居てほしい。
そういう選手。それがコーンだ!!


四万十うどん かっぱ亭8

『キツネうどん(冷)』

四万十うどん かっぱ亭9

高知市万々の「ゆたか」同様、透明な器が風流。

四万十うどん かっぱ亭11

冷たいうどんに冷やされて、
食べ終える頃には汗も引いて随分涼しくなり、
圧倒的冷涼感を感じていた。

車に乗り、冷房を出力最大でかけ、
また道の駅の建物の前まで駐車場の中を走行し、
ソフトクリームがある売店の付近で停車。

真夏の冷やかけ。
真夏のソフトクリーム。
青と緑の四万十町十和。

風は吹かない。
地形が盆地状になっていることも関係しているのか、とにかく暑い。

暑い………。
暑いよ…………。

でも暑いのが……イイっ……!

暑いからこそ味わえる幸せ。
炎天下で飲むビールみたいな幸せ。
十和で噛み締めた。