『2店目を読む』 『3店目を読む』
うどんのメッカ・讃岐
から生まれた独特の業態。
セルフうどん。
店によって多少の違いはあるが、
基本的には、自分でトッピングを取って、自分で薬味を乗せて、
自分で1杯のうどんを作り上げていくというシステム。
少なくとも二十年前の高知では、
あまり見かけることのない・・・というよりも、
見かけた記憶のない業態である。
しかし近年、
大手セルフうどんチェーンの進出もあり、
高知でもすっかりお馴染みの業態となってきた。
お馴染みになりすぎて、
<大丈夫かな・・・!これちゃんと、
うどんにありつけるのかな・・・!>という、
最初のころの
ドキドキ感がない!
由々しき事態である。
<うどんを愛し・・・!
うどんを恐れ!うどんと闘ってこそ!
農業界のうどん野郎・・・!>
なのに・・・!
<近年の俺がやっていることといえば・・・!
セルフうどんとの馴れ合い!ナァナァの関係・・・!>
そこで今回!
改めて!
"セルフうどん"というものを見つめ直し!
実直にセルフうどんと向き合うために!
緊張感を持って!
セルフうどん屋へ行こうじゃないか!
私は、そういう意思を固めた。
当然のことながら、
1店ではダメだ。
<行くなら3店は行かなきゃならない!
3店は行かないと、セルフうどんを見つめ直せない!>
3店!行脚!
決定っ・・・!
セルフうどんが、
怖くて怖くて仕方がなかった、
あのころの胸の高鳴りを、もう一度・・・。
見参!
『セルフうどん さぬきや』
<俺は、取り戻さなきゃならない・・・!
初めての"たも屋"で、麺の温め方がわからないからと、
湯溜まりで温めなくてもいいことがわかっている
"釜玉"へ逃げた、当時のヘタレっぷりを・・・!>
ヘタレっぷりを取り戻すには、慣れている店ではダメだ。
慣れている店が相手だと、結局またナァナァになる。
そこで私は、まだ1度しか訪れたことのない、
高知市神田の「さぬきや」へ、ノコノコ来たわけである。
入店。
昼時。
混雑している店内。
「さぬきや」のセルフシステムは
オーソドックスな形式で、それほど難しくない。
注文して、うどんを受け取って、
薬味を乗せて、トッピングを取って、
あとは会計するだけだ。
私は順調にセルフレーンを進行して、
順調に会計を済ませて、順調に空席へ辿り着いた。
『かけうどん
ゲソ天レボリューション』
<俺と"さぬきや"は、
まだ手も繋いでいない程度の関係!
なのに!結局!なにも事件は起こらなかった!>
<そんなものか・・・!?
うどんってそんな簡単に食べていいものなのか?>
実食!
白い麺を箸で挟み、
口へ運ぶ。
まるで、ただうどん屋へ来て、
ただうどんを食べているかのように。
<おおおっ・・・!
麺と出汁と相性がイイなぁ・・・!
お互いがとても仲良し!一体感がある!>
両者が・・・!
絡まる・・・!絡まる・・・!
絡まるインフィニティ・・・!
<む・・・無限の絡まり・・・!
そそ・・・そ・・・それが・・・!
"さぬきや"の"かけ"・・・!>
バタッ!
(卒倒)
『しょうゆ・温』
さぬきや、
セルフレーンに、
柚子酢、常備。
<温かい醤油うどんに・・・!
柚子酢を回して食べる・・・!
これなのだ・・・!これなのである・・・!>
柚子酢がある・・・!
この絶対的要素が!
"さぬきや"の攻撃力を!
さらなる次元へ高めている・・・!
私は順調にうどんを食べ終えて、
順調に返却口へ食器を返して、順調に店を出た。
私は、セルフうどんに慣れてしまったのだろうか。
自動車教習所で、あんなに苦労したMT車のマニュアル操作が、
やがて自然にできるようになってしまったみたいに・・・。
もう昔のような、
セルフうどんに対する恐怖心は抱けないのだろうか。
とにかく、あと2店行ってみて、
うどんと紳士的かつ謙虚に向き合い、
その過程で私はナニカを見出さなければならない。
(2店目へ続く・・・!)
『2店目を読む』 『3店目を読む』
◆ セルフうどん さぬきや
(高知県高知市神田1073-1)
営業時間/11時~15時
定休日/月曜日
営業形態/セルフ
駐車場/12台
(しょうゆ250円、釜玉300円、かけ250円、大[2玉]は100円増、ちくわ天80円など)
『さぬきや』の場所はココ・・・!