肉が好き……!
ビールが好き……!
そんな人に、激烈におすすめしたいお店がある……!
「窪川BEER STYLE Callman 56」
高知市「ラ・ヴィータ」の向かいに位置する『コールマン56』は、四万十町窪川の人気店『鉄板Callman(コールマン)』の高知店である。
窪川BEER STYLE Callman 56(コールマン56)の店内
『コールマン56』の店内。一歩入ると「あれ?ここ高知だったよね?」そう確認してしまいそうになる、どこか異国を思わせる雰囲気。
入口の戸をくぐった瞬間に、高知市からアメリカ・ニュージャージー州に飛んでしまった。そんな気になる、
圧倒的!異国感!
予約なしで入店した竜一。
「ま、満席ですか?」
たくさんのお客さんで賑わう店内を見て、マスターらしきヒゲを蓄えた男性にそう聞いた。
ダメ元だったが「カウンターでよろしければ空いています」とのこと。
「カウンターで大丈夫です!」と返事して、そそくさとカウンター席に腰を下ろした。
隣に体格のよい男性が座っている。
コールマン56のメニュー
「とりあえずドリンクを注文しなきゃ。なにを注文しようかな」
コールマン56の生ビール「ブラウマイスター」は圧倒的においしい!
メニューを眺めていると、横並びのカウンター席、その隣に座っていた体格のよい男性が突然私に話しかけてくる。
「ビールは、お好きですか?」
「は、はい……」
極度の人見知りである竜一、戸惑いながらもそう答えた。
「それなら是非、ブラウマイスターを飲んでみてください」
ブラウマイスター?
どうやら生ビールのことのようだ。
なぜこの人は、私に突然「生ビール」をすすめてくるのだろう。よくわからなかったが、勢いに流されて「じゃ…じゃあそれ飲んでみます」と言ってしまった。
本来は焼酎党の竜一。
「まあ…最初の1杯だけなら、ビールでもいいや」そんなノリだった。
「マスター!ブラウマイスターいっちょう!」と私に出すビールを勝手に注文する男性。
なにこの展開!?
入店して5分と経たないが、竜一は完全に「謎の流れ」に飲み込まれてしまっている。
一旦、状況を整理したい。
コミュ障・竜一、意を決して男性に聞いてみる。
「あ、あのう……ビール会社のかたですか?」
男性は微笑んだ。
「この店のオーナーです」
あっ!オーナーさん!
ひとつの謎が解けた。
しかしまだ謎は残っている。
なぜそれほど「ブラウマイスター」なるビールをすすめてくるのか、だ。
それを竜一がたずねる前に、熱弁をふるい始めるオーナーさん。
「1回ウチのブラウマイスターを飲んでみてください。生ビールってこんなにおいしいんだとわかります!」
続けて『コールマン56』の「ブラウマイスター」は、ただの生ビールじゃないのだと、短編小説として発刊できるくらいのボリュームで語ってくれるオーナーさん。
『コールマン56』の「ブラウマイスター」へのこだわりを書いた紙も渡してくれたが、その紙を読む必要もないくらい一所懸命に語ってくれた。
ガンダムについて語る少年のように、目を輝かせて語るオーナーさん。どんなジャンルにおいてもそうだが、好きなことを熱く語れる人は、男が見てもカッコイイのだ。
目の前ではヒゲを蓄えたマスターが、紙にも書いてあった「最終グラス洗浄機」でジャバジャバっと洗浄したグラスに、ブラウマイスターを注いでくれている。
「生ビールを注ぐだけなら簡単やけど、おいしく注ぐのは難しいですよ」そう言うオーナーさん。
「あなたにお出しするブラウマイスターがおいしくなるかどうかは、いま注いでいる人の腕次第です」と、ヒゲのマスターを見て、いたずらっぽく笑うオーナーさん。
「やめてくださいよ!緊張する!」苦笑する、ヒゲのマスター。
2人のやり取りが面白い。普段から仲がよいのだなぁとわかる。
やがて注ぎ終わったビールを、オーナーさんが指差す。
「見てださい!この泡を!この泡が大事なんです!」
さあ!飲んでみてください!
言われるがままに飲む竜一。
内心、この状況で「まずい」なんて言えるわけがない……と思っていた。ギャーギャー言うほどのビールではないだろう、と思っていた。
がっ!
飲んでビックリ!
うまい!
「なにこれ!本当においしいです!」目を見開きながら、オーナーさんに感動を伝える竜一。
こんなにおいしい生ビール、初めて飲みました!
「ありがとうございます」微笑むオーナーさん。しかしそれにしても本当においしい。
なんだこれ!
かなり驚く。泡がものすごくクリーミーで、黄色い部分…ビール自体の攻撃力も半端ではなく、旨味が口の中全体に広がっていくようだ。喉越しは「さわやか」だとか、そんな使い古された言葉を用いたくないほど爽快である。
1杯目を一気に飲み干してしまい、すぐさま2杯目を注文。
「おいしいでしょ?泡を育てる、そういう意識を持って注いだ生ビールは、普通の生ビールと違ってくるんです」
そう語るオーナーさんの前で「とんでもなくおいしいです!」と目を潤ませる竜一。
ブラウマイスターは、とんでもないビールです。
コールマン56のおすすめメニューその1「ゆでセンマイ」
おいしいブラウマイスターと一緒になにかつまみたいな。そう思った竜一、オーナーさんに聞いてみる。
「食べもので、おすすめのメニューはなんですか?」
するとオーナーさんは、うーんとうなったあとで聞き返した。
「センマイは食べられますか?」
「センマイって牛の内臓の……?」
「そうです。せんまい、苦手だったりはしないですか?」
「すごく好きなわけでもないですけど、嫌いじゃないです」
「では食べてみてください。むしろ本当は、センマイが苦手なかたにこそ食べていただきたいのですが……」

窪川BEER STYLE Callman 56「ゆでせんまい」
しばらくののち、オーナーさんがススメてくれた「ゆでセンマイ」が姿を現した。
「さあ!ウチのセンマイを食べてみてください。おいしいですから!」
そう言うオーナーさんに、私は内心思っていた。
この状況で「まずい」なんて言えるわけがない。どうせギャーギャー言うほどのセンマイではないだろう……。
だが、一口食べてビックリ!
うまい!
「こんなにおいしいセンマイ、初めて食べました!」
気がついたら、オーナーさんを見ながら目を潤ませていた。
コールマン56のおすすめメニュー2「ホルモンの辛味噌」

窪川BEER STYLE Callman 56「ホルモンの辛味噌」
オーナーさんに『コールマン56』のおすすめメニューを聞いたとき、名前の出た料理がもうひとつあった。
それが「ホルモンの辛味噌」だ。メニュー名の通り、ホルモンに辛味噌を絡めて火を通してある。
「普通のホルモンって、噛み切れなかったりするでしょう?」と言うオーナーさん。
「た、たしかに……。噛み切れなくてグニャグニャするというか、いつ飲み込んでいいのかわからないとき、ありますね」
答えながら、でもホルモンってそういうものじゃないか?そう思っていた竜一に、オーナーさんは衝撃的な言葉をつげる。
「ウチのホルモンは噛み切れます……!」
そんなことを宣言されて目の前で食べるわけだ。噛み切れなくても「噛み切れました」と答えるよ。
内心、苦笑しながら食べた竜一。
ビックリ!
本当に噛み切れる!
興奮のボルテージ、高まる竜一。
「ホルモンに対する認識が変わりました!」
「そこまで言ってくれるとは!キミはええヤツや!」
握手する、オーナーさんと竜一。
(俺たち、このまま付き合い始めてしまいそう……)
危険である。
「ホルモンだけでなく、ブラウマイスターは生ビールに対する認識を、ゆでセンマイはセンマイに対する僕の認識を……」
価値観を変えてくれました!
ビールや料理に対する、オーナーさんの熱量が竜一にも乗り移り、握手した手に力がこもる。
オーナーさんも「ありがとう!!」と握り返してくれる。
痛い。
握手する手が、ちょっと痛いくらい、互いの手を強く握り合うふたり。
「このホルモン、ビールにもすごく合います!ただでさえおいしいブラウマイスターが、さらにパワーアップしました!」
「嬉しいこと言うてくれるなぁ!」
「大抵、ホルモンは1回冷凍したものを解凍してお出しするのが普通なんですけど、ウチのホルモンは冷凍していないんです」
「だからおいしいんですね!」
「その通り……!」
すっかり意気投合するオーナーさんと竜一。
もう少しで抱き合ってしまいそうだ。
まるごと!!ゆでたん(豚タン)
さらに「これも食べてみて!」と、オーナーさんは自分の目の前にあった皿を渡してくれる。「ゆでた豚タン」だと言う。串に刺さっている。
串を手に持つ私に、「おいしいから!」と言うオーナーさん。
その答えはもちろん、
おいしい!
「豚タンに対する認識が変わりました……!」
私の認識を『コールマン56』は、ことごとく変えていくのだ。
すごい肉厚。口の中で豚タンの旨味が、ゆで汁と共に弾け飛ぶ。
ビールが好きな人に、肉が好きな人に、コールマン。
ビールに徹底的にこだわった『コールマン56』。
物事は「何にでもこだわればよい」というものでもない。正しい方向に歩くことが重要だ。方向性を間違えていれば、いくらがんばっても大した結果は出ない。
しかし日本全国のみならず、世界のビールを1000種類以上飲み歩いた、生粋のビール好きであるオーナーさんが経営する『窪川ビアスタイル コールマン56』。
ビールにも肉にも、愛と情熱がこもっている。
おいしいビールと、おいしい肉。
ビールが好きな人、肉が好きな人はもちろん、ビールが苦手な人、肉が苦手な人にこそおすすめしたい。
認識が変わります。
「窪川ビアスタイル コールマン56」の所在地、営業時間、定休日、駐車場
所在地/高知県高知市本町3-2-2 並木ビル1F(地図)
営業時間/17:30~23:56(L.O. 23:30)
定休日/日曜日
駐車場/無
■カウンター席/有 ■テーブル席/有 ■座敷/無