肌寒い季節だけ……
くいしんぼ如月で食べられるうどん。
子どもの頃から四半世紀以上にわたり通っている、高知ローカルの弁当チェーン「くいしんぼ如月」。
昔の「くいしんぼ如月」にはなかったと思うけれど、いつの頃からか冬季限定で提供されているうどんが「味噌煮込みうどん」だ。(* くいしんぼ如月の冬季限定は、12月〜2月末頃まで)
これまでに数百件のうどん店を食べ歩いた竜一だが、味噌煮込みうどんを食べたことはあまりない。
「讃岐系の流れから生まれた、香川や高知のうどん屋さんに『味噌煮込みうどん』を提供するお店は滅多にないんだよな……」
くいしんぼ如月「味噌煮込みうどん」(税込480円)
豚肉のほか、ゴボウがたっぷり入る味噌煮込みうどん。
容器のフタを開けた瞬間に、味噌とゴボウの香りが混じり合って漂ってくる。
どこか懐かしい気分になる香りだ……。
ほとんど田舎のおばあちゃん。
田舎の家で昼下がり、おばあちゃんが作ってくれたみたいな味がする。
豚肉とゴボウから出てくる、ほのかな甘味。
そこも含めて、田舎のおばあちゃん。
おばあちゃんでしか出せない、やわらかな甘味、優しさが詰まっている……!
強烈な弾力を持った「さかえ」みたいなうどんも好きだけれど、こういうのもいい。
都会の喧騒も悪くないが、山や草木の緑に囲まれた田舎の家が落ち着く。
そんな感覚……。
くいしんぼ如月の「味噌煮込みうどん」は、どこにいてもその場所を田舎のおばあちゃん家に変えてくれる。
「出張田舎のおばあちゃん」なんだ。
味噌やゴボウの香りは、人の心のカドを取って、優しい気持ちにさせてくれるんだよな……。