【第3話】竜一の高知放浪記 / 隠れデカ盛り処「曽我」の中日そば

2020.09.08

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【第3話】竜一の高知放浪記 / 隠れデカ盛り処「曽我」の中日そば

2020.09.08

人は見かけによらないものだ。

コワモテなのに話してみると気さくで優しい人とか、若く見えるのにアラフィフの超絶美人もいる。

一方で、"見かけによらない店"もある。

見た目は年季が入った老舗食堂なのに、とんでもないデカ盛り料理を出すお店が、高知にはいくつか存在する(と言ってもすぐに思いつくのは2店だけだが)。

高知のデカ盛り処で、もっとも有名なのは、大豊町の「ひばり食堂」。

知る人ぞ知る"隠れデカ盛りの聖地"が、香南市野市町の「曽我」である。

高知・香南市野市町の老舗食堂「曽我」は隠れたデカ盛りの名店

曽我に向かう道中。
周りは田んぼと民家ばかりだった。

そして道はめちゃくちゃ複雑だった。

竜一「ここ曲がる?」
ソルティ「違う、次の信号を右」

竜一「信号!どこにある?」
ソルティ「あれ!」

竜一「あれじゃ分からん!どこ!」
ソルティ「あれ言うたらあれよ!」

竜一「あれ信号かえ!」
ソルティ「どう見ても信号やろがね!何に見える!?」

竜一「信号に見える!!」

ソルティ「曲がったらしばらく道なりに行って左!左曲がったらすぐ右!」

竜一「すぐ右に曲がったら田んぼに落ちるがね」

ソルティ「ほいたら、もう田んぼに落ち!」

高知 香南市野市町 曽我の外観

道に迷いながらも、どうにか到着した「曽我」の佇まいからは、老舗の風格が漂っていた。

竜一「おおっ!なんかいい感じ」

ソルティ「お花の暖簾のれんが素敵やね」

引き戸をガラガラと開けて、店内に入る。
店内も老舗らしい落ち着いた雰囲気である。

建物探訪の渡辺篤史みたいに、店内をグルグル見渡していると、お店の女将さんと存じる女性が出てきて案内してくれた。

通していただいたのは、完全個室になった広い座敷

女将さんが「注文決まったら呼んでください」と言い残して座敷を仕切る戸を締めた直後、ソルティは満面の笑みを浮かべた。

「すごい嬉しい!ここやったら赤ちゃん連れでも安心やん」

「ここ普段は飲み会するような部屋やろうね。曽我は仕出しもやりよって皿鉢さわち料理の宴会もできるみたいなき」

「バイオレットちゃん、おってもいても安心やね」
とソルティは、抱っこしていたバイオレットを畳に立たせた。

ちなみにバイオレットとは娘の仮名である(この当時約1歳)。

和名だと生々しいかなと外国人っぽい名前を付けてはいるが、実際には高知県生まれ高知県育ち悪そうな奴は大体友達に"まだ"いないはずのZEEBRAも驚くバリバリの高知県民である。

バイオレットは「だー!だー!」と言いながら、部屋を縦横無尽に歩き回っている。

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曽我の大盛は驚愕のサイズ感!

曽我のメニュー数はそこそこ多い。注文の決定は難航した。
「えぇ、何にしよう、ちょっと迷うわ」

そのとき発見した。
「ああっ!中日がある!」

中日そば(ちゅうにち)とは、香南市界隈で親しまれている、うどんの出汁に中華麺が入った麺料理のことだ。

「ほいたら、せっかくやし、香南市ならではの中日にしよう!」

竜一は、さらにこう付け加えた。
「お腹張らんかったらいかんき、中日"大盛"で!」

曽我の実力をまったく知らずに「大盛」にした。

それが運命の分かれ目だった。

「広い畳の部屋でのんびりできるき、なんか温泉旅館で泊まりゆみたいでええねぇ」などとリラックスしていた数分後……。

巨大麺が出現する。

香南市野市町 曽我の中日そば大盛

画像では分かりづらくて恐縮だが、器がオムライス(奥)の3倍くらいある!

でぇっかっ!
なにこの中日!

女将さんが運んできてくれた「中日そば(大盛)」は……

よもやの、
洗面器サイズ。

このとき曽我の大盛を初めて目の当たりにした竜一は、驚きを隠せない。

「曽我半端ないって!中日めっちゃ盛ってくるもん!そんなに盛らひんやん普通、そんなに盛る?言っといてや、盛るんやったら」

オムライス(並盛)、何度も言うけど中日そば(大盛)はこの3倍くらいある!

ソルティが注文した「オムライス(並盛)」が可愛らしく見えるほどの「中日そば大盛」の巨大さ加減。

だが、このオムライスも「大盛」で注文すると数倍の大きさで提供されるらしいから、迂闊うかつに「大盛で!」などと口走ってはいけない。

「曽我というお店自体が老舗食堂らしい外観で、デカ盛処に見えん雰囲気だけに、いきなり出されるとビックリするボリュームやわ」

「そんなに食べれるかねぇ?」

「わからん、一気に不安になってきた」

だが実際に食べ始めてみると、弾力強めの中華麺と、適度に効いた塩味が食欲を引っ張ってくれてドンドン食べ進められる

「お出汁も全部イケるわ!」

それから約1年後、曽我を再び訪れた我々は、今度は「カツ丼の大盛」を注文した。

「中日もすごかったけどカツ丼もすごい!ごはん1合は確実に入っちゅうで!」(やはり画像では分かりづらい!画像の5倍の迫力やと考えて)

どれほどの重量があるのだろうかと、カツ丼が入ったドンブリを持ち上げてみた。

「ひぃっ!このカツ丼、腕ちぎれるくらい重いわ!」

「なんぼ言うたち、カツ丼持って腕ちぎれる人って、あんたどんだけ腕弱いがよ」

「アイタタタ!カツ丼で腕を痛めた!こらぁ帰りに湿布こうて買って帰らないかん!」

関連記事:香南市の老舗食堂「曽我」デカ盛り!洗面器サイズの「中日そば」

関連記事:大盛に定評のある食事処「曽我」香南市・野市町でカツ丼ランチ!

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曽我の店舗情報

店名曽我
所在地高知県香南市野市町中ノ村389−1(地図)
営業時間 11:00~15:00
17:00~21:00
定休日月曜日
駐車場
店内■カウンター席/無 ■テーブル席/有 ■座敷/有(完全個室あり)