『第3話を読む』
瀬戸内の海を
シゲシゲと眺める。
風が強い。
凧揚げには
絶好の風に思える。
たまには私だって
凧揚げがしたい。
<でも…いまは凧より鯛だな……>
『とみや』で念願の鯛めしを食べたあと、
『ふたみシーサイド公園』というところに来ていた。
名の通り、海辺の公園。
高知でいうところの、
『ヤ・シィパーク』みたいなものだ。
<ああ…もっと鯛が食べたい……>
瀬戸内の海は
「チャプチャプ」と音を立てている。
<でも………
んー……そうだな………>
むしろ。
鯛からのーーー、
タイっ!
それもありだな。
冷たい風が、
海岸線を穏やかに吹き抜ける。
俺は超える。
鯛を超える。
行こう………!
鯛料理の向こう側へ…!!!
『タイ王国料理
フォーシーズンズ』
日が暮れ、
辺りはすっかり夜。
わりと気軽に入店した。
がっ!しかし!
そこ!王国…!
金ピカ……!
フォーク&スプーン!
食器から漂う高級感。
<ヤヴァイ……!
お金足りるかな……>
一気に高まる緊張。
額に滲む脂汗。
震えそうな手で、メニューを開く。
セーフ…!
そこに書かれた料理。
至ってリーズナブル。
<これなら安心して食べられる…!
そして飲めるっ………!!>
遥々、タイに来たのだ。
長旅の疲れを癒さなければならない。
疲れを癒してくれる存在。
そう。
お・さ・け。
シンハービール!
愛媛の郷土料理が『鯛めし』ならば、
タイの郷土ビールは、
この『シンハービール』だろう。
(ちなみに380円)
疲れていたので、
当然一気に飲む。
<口当たりが軽いっ…!
舌の上で弾む……!
人工芝でやる野球のようだ!>
わーい、シンハー!
2瓶目。
『ビアラオ』
(こちらも380円)
ラオスのビールらしい。
<タイに来て……!
ラオスのビールが飲めるとは…!
いささか感激だっ………!>
普段はあまり飲む機会のない、
東南アジアのビール。
それが数種類あった。
テンション上げ上げ。
ジャンジャカ飲む。
<んー!やっぱり軽いっ…!
でも…シンハーよりは重い……!
コクもある気がする…!(知らんけど)>
小旅行の疲れを癒しながら、
暫し飲んだくれる。
<アジアビール!
緩さがイイッ……!>
注文していた料理、来る。
『生春巻』
具を、
「エビ」「チキン」
「ビーフ」「ポーク」「白身魚」
5種類の選択肢の中から、
2種類選べるというので、
2本頼んで、2種類ずつ入れてもらった。
スィートチリソースを、
ちびっと…………!
浸けて食べる生春巻…!
皮がブルリィーン…!
皮、食感、フンワリ。
中の野菜、シャキシャキ。
エビ、プリプリ。
これなら私も巻かれたい。
ライスペーパーで巻かれたい。
その他、いろいろ頼む。
『鶏とカシューナッツの醤油炒め』
カシューナッツといえば、
BARでよく出されるオツマミというイメージ。
だが料理に入れても美味しいのだ。
家でもやってみよう……!
カシューナッツ料理っ……!
『タイ式米粉麺の焼きそば』
いわゆる、『パッタイ』のことだと思う。
米からできた麺なのに……!
パッタイを食べていると………!
いつも白いご飯が……!
欲しくなる不思議………!
(↑ メニュー名、失念…。
別に撮ってあるメニュー画像から
必死で探したけれど、どれだかわからなかった!
でも美味しかったことは覚えているので大丈夫!笑)
食べながら考える。
<調べてみると……
愛媛県にはタイ料理の店が数店ある…。
いったいどういうことだろう……>
鯛料理とタイ料理、
果たしてなにかの
因果関係があるのだろうか。
気が付けば、
私は愛媛県に点在する鯛とタイの世界に、
ドップリドプドプ浸かろうとしていた。
(さらに続く!)
『第5話を読む』
◆ タイ王国料理 フォーシーズンズ
(愛媛県松山市須賀町1-32)
営業時間/
11:00~13:30
17:00~21:00
定休日/月曜日
駐車場/有