小豆島の国道436号線を走っていた。「銚子渓」で猿を見て、小豆島北側の海岸線を半周したあとだった。
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間もなく正午になろうとしている。
朝、宿を出るときに手渡してもらったロールパン1個しか食べていない。さすがにお腹が減った。
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小豆島名物 ひしお丼とは
小豆島の名物に「醤(ひしお)」と呼ばれるものがある。
「ひしお」とは、大豆、麦、こうじ、塩などから作られた、なめ味噌の一種だ。
そして小豆島のご当地グルメ「ひしお丼」の定義だが、香川県観光協会のサイトを参照すると、
- 醤の郷で作った醤油やもろみを使うこと。
- 小豆島の魚介、野菜や地元の食材を使うこと。
- 箸休めはオリーブか佃煮を使うこと。
以上の3つだという。
「せっかく小豆島にきたんだ……」一度は食べてみたい。
つくだ煮の駅 瀬戸よ志(香川・小豆島)
『つくだ煮の駅 瀬戸よ志』の駐車場は、ほとんど埋まっていた。
「混んでるなぁ」不安になる。「幼児を連れて待つのは大変……」途中でぐずり始めると地獄である。想像すると気が重くなった。
しかし、いまからほかの飲食店をさがす気にもなれない。
瀬戸よ志の店内
店に入る。1階はお土産もの売り場。2階が飲食店になっているようだ。
お土産もの売り場に並んでいるのは、つくだ煮ばかり。
このとき初めて気が付いた。
「つくだ煮のお店なんだ……」
2階の飲食店に続く階段には「ただいま満席です」との旨を記載した札が立っている。
「やはり満席か……」
肩を落としていると妻が言う。
「あたしが聞いてくる」
「聞いてくる?満席って書いてあるのに?」私は妻が何を言っているのか、一瞬わからなかった。
「聞かないと、わからないじゃない」妻は眉間にシワを寄せている。
「わからないって……"満席"と書いてあるんだよ?」私は必至で言った。無駄骨に終わる可能性が高いと思ったからだ。
「一席くらいなら、あいているんじゃない?」そう言って妻は微笑した。
「満席だと言っているのに……」
妻は2階に続く階段を駆け上がっていく。
瀬戸よ志の2階、飲食ブースへ
妻が2階に上がってから、数分が経過した。なかなか降りてこない。
「大丈夫かなぁ……」
1階のお土産ものコーナーに陳列された「つくだ煮」を眺める。黒光りする、たくさんのつくだ煮たちが並んでいる。
「お土産に買って帰ろうかな」
そのとき妻が、駆け足で階段を降りてくる。
「あいてた!一席だけあいてるって!」
満席であるはずの飲食店の店内が、あいているなんてことがあるのか。
「聞いてみるものだな……」
瀬戸よ志のメニュー
窓際の席に案内された。ガラス窓の向こう側を色とりどりの車の天井が流れていく。
「ひしお丼がある……!」
それはメニューの筆頭に記載されていた。
小豆島名物「ソーメン」を使用した「にゅうめん」も存在する。
「うどんに……オリーブラーメン!?そういうのもあるのか……」
ひしお丼、にゅうめん、オリーブラーメン。それぞれに小豆島名物が入っている。
「……全部食べたい」
瀬戸よ志は、つくだ煮食べ放題
「つくだ煮の駅」と名が付く『瀬戸よ志』。
1階のお土産もの売り場でたくさんのつくだ煮が販売されていたが、2階の飲食店では、なんとセルフで「つくだ煮食べ放題」。
「俺も長いこと食べ歩いているけれど、つくだ煮食べ放題は初めて見た気がする……」
注文した料理の到着を待っているあいだに、小皿につくだ煮を取ってくる。
つくだ煮は1種類だけでなく、数種類が置かれていた。
「ヤバい」つくだ煮を食べたながら震える。「酒が欲しくなる……」
気に入ったら、1階のお土産もの売り場で購入可能。
「商売上手いな……」
にゅうめん
初手は「にゅうめん」。
冷たいソーメンもあったが、肌寒かったため温かいものにした。
具材は、とろろ昆布、カマボコ、ネギのみと非常にシンプルな構成。
「これでこそ、ソーメン本来の味がわかるというもの……。たぶん!」
ズルルルル……。
食べると……。
「小豆島の味がする!太陽……」
島の光の味がする……!!
* 小豆島ソーメン「島の光」は日本三大ソーメンのひとつ。
オリーブラーメン
小豆島特産のオリーブオイルを麺に練り込んだ「オリーブラーメン」。
オリーブラーメンは、島内のお土産もの屋さんで乾麺になったものをよく見かけていて、気になっていた。
にゅうめん同様、シンプルな構成の具材。透明感のあるスープ。
小豆島のオリーブ麺!
「同級生のオカンみたいに落ち着いた味!オカンがじんわりと舌の上に広がっていく……」
ひしお丼
そして注目の「ひしお丼」。
味噌汁が付いている……。
同時に注文した「オリーブラーメン」と「ひしお丼」。
汁もののオリーブラーメンと、ひしお丼に付いた味噌汁がかぶる……。
よもやの汁と汁……。
スープ×スープの構成……。
「しまった……」
これはキツい……。
まあ平気で飲み干すけど。
- 醤の郷で作った醤油やもろみを使うこと。
- 小豆島の魚介、野菜や地元の食材を使うこと。
- 箸休めはオリーブか佃煮を使うこと。
3つの定義を満たした、小豆島ご当地グルメ「ひしお丼」。
箸休めに「つくだ煮」。
オリーブラーメンに、ひしお丼。それに加えて「にゅうめん」。
汁と汁と汁……。
炭水化物と炭水化物と炭水化物……。
「お腹張った……」
そして太った……。
瀬戸よ志の所在地、営業時間、定休日、駐車場
- 所在地/香川県小豆郡小豆島町安田144-80(瀬戸よ志の地図)
- 営業時間/9:00~17:00(飲食店は11:00~14:30)
- 定休日/年始⇒元日、2日
- 駐車場/有
- ■カウンター席/? ■テーブル席/有 ■座敷/無