前編はコチラっ・・・!
『幻の山雀うどん ごっくん釜揚げ村の章 前編/UDONスーパーフード』
2011年末、
伝書鳩の活躍によって入手に成功した、幻の山雀うどん。
その第二局が幕を開けようとしていた。
『ごっくん釜揚げ村』を食べおおした竜一。
続けざまに次順の盛り付けを開始。
自分の発想次第で幻のうどんを、いかなる食べ方にでも出来てしまう、
この夢としか云えぬ状況で竜一が目指したもの、それは・・・!
『ごっくんぶっかけ村』
ごっくんぶっかけ村、それを彩る住人は、
スーパーの惣菜コーナーにて、半額で買ってきたエビ天、
さらに、高知が誇るカマボコメーカー『けんかま』のカマボコ。
その住人両者の上から、
山雀さんの釜揚げ用出汁をそのままぶっかける。
この時、密かに成立。
山雀うどん、山雀出汁、
竜一生姜、竜一ネギ、
それから「けんかま」による、
☆ けんかまもビックリ! ☆
超豪華奇跡神懸かり的いつの間にやら勝手にスペシャルコラボ! ☆☆☆
<フフフ・・・!
とどのつまり・・・なんでもコラボというわけっ・・・!>
ぶっかけ村も水でしめずに釜揚げ麺で、
いわゆる、『温ぶっかけ』にしていただく。
<よくよく考えてみると・・・先に食べた『釜揚げ村』との違いは・・・!
出汁を・・・つけるか・・・かけるか・・・!それだけ・・・!
ま・・・まぁ・・・そんなこまけぇこと・・・俺は気にしねぇ・・・!>
「モチッ・・・!
・・・!ムチッ・・・!」
噛めば反応・・・!
ドーンとアルデンテの強反発っ・・・!
瞬間、
竜一、評論家。
「えぇと・・・これはですねぇ・・・!麺のモチムチ感が・・・!
カマボコのムニャムニャとした食感とですねぇ・・・非常に合いますねぇ・・・!
生姜も頑張ってます・・・!とてもいいコンビネーションですよっ・・・!」
これが、2011年、
私が食べた最後のうどんとなった。
山雀さんからいただいた麺には、まだ残りがあり、
それを冷凍しておいて、大晦日の年越しうどんにしようと企んでいたのだけれど、
迎えた大晦日、晩ご飯を食べ過ぎて、もううどんが入る状況ではなくなるという失態にて、そのまま年越し。
明けて2012年。
年越しうどんは、年明けうどんと相成る。
去年最後が幻の山雀ならば・・・今年最初も幻の山雀っ・・・!
山雀うどんで終わり・・・山雀うどんで始まる・・・ゆく年来る年・・・!
新年一発目・・・!
再度・・・釜揚げうどんっ・・・!
冷凍しておいた麺を湯掻いている最中、
様々な想いが、竜一の脳裏をよぎる。
<俺は前回・・・この釜揚げ麺・・・!
いいや・・・釜揚げ麺四郎に随分と寒い思いをさせてしまった・・・!>
「でも・・・もうキミに寒い思いなんかさせない・・・!
ゆっくりと・・・!肩まで浸かっておいで・・・!」
今回は前回の反省を踏まえ・・・!
無難な路線を目指した・・・スタンダード釜揚げっ・・・!
生姜はおろし・・・!
丼には湯を張った・・・!
「湯加減はどうだい・・・!」
釜揚げ麺四郎にそう聞いてみると、
「ええでぇっ・・・バッチリやでぇっ・・・!」
と返事が聞こえた。
<やはり湯は溜めたほうがいいかもな・・・!
前回は麺の温度がグングンと下がっていって・・・!
途中から・・・ひやあつ釜揚げうどんという様相を呈したが・・・今回は下がり方が緩やか・・・!>
釜揚げうどんは・・・!
さすがに・・・あつあつであるほうがシックリくる・・・!
それに・・・今回の山雀うどんは今日で食べ尽くすんだ・・・!
<出汁の薄まりなんか気にしなくても・・・残量全部いって構わない・・・!
ドンドンと継ぎ足し・・・場合によっては取り替えても・・・なんら問題無しっ・・・!>
出汁の濃度減衰から解き放たれた今・・・!
恐るるものなんか何にも無い・・・!!
我も釜揚げも無敵なりっ・・・!
幻を出汁に突っ込めっ・・・!
突っ込んで味わい尽くすんだ・・・!
釜揚げうどんにおける・・・!
愉悦のすべてをっ・・・!!
食べる。
モグモグ食べる。
鳴く。
「ヒヒーン・・・!」
総勢・・・数万頭の馬・・・!
「ウマッ」が走り出す・・・!!
ここはモンゴル・・・!
大草原っ・・・!!
草原を走り抜けて食べおおし、風になった竜一。
迎えた、最終局麺。
最後の1玉。
<幻の麺線に酔い切った年末年始もこれでラストとなると感慨深いな・・・!
今回・・・!最後は・・・!これでしめると決めていたんだ・・・!>
『釜玉』
釜玉にしたことに大した理由なんて無かった・・・
むしろそこに理由なんて要らなかった・・・!
ボクはふいに恋しくなったんだ・・・!
釜玉の匂い・・・
釜玉が笑った顔・・・
そのすべてが・・・!
どうしようもなく恋しくなって・・・!
丼に卵を割り入れたんだ・・・
それを・・・!昼ご飯とは言わないよ・・・
それを・・・!晩ご飯とも言わないね・・・
釜玉はボクにとって・・・!
単なる食事なんかじゃなく・・・!
好きなんだ・・・!
釜玉のことが・・・!
ずっと・・・!
ずっと前から・・・!
ただ・・・!好きなんだ・・・!
釜玉に・・・
この胸いっぱいの愛を・・・!
竜一の釜玉への愛は、小麦に熔け、
いつまでもアルデンテの旋律を奏でていた。
~ FIN ~
P.S. 山雀さん!ありがとうございました!美味しかったです!
山雀さんの私に対する愛が、麺の中に詰まっているのをすごく感じました・・・!(〃ω〃) ポッ