『レストラン野咲(のさき)』で「特ラン」を食べた2時間後。
急にうどんが食べたくなった。
思えば俺は……おはようからおやすみまで、ずっとうどんのことを考えていた……!
愛媛に来ると、よく見かけるセルフうどん店がある。
「たしか『大介うどん』って店だった気が……」
大介うどん フライブルク店
たどり着いた『大介うどん フライブルク店』。
(*訪問したのは2015年7月です)
愛媛県松山市にある、地元のかたに永く愛されているセルフうどん店である。
「フライブルク!何だかドイツっぽい……!」
大介うどんのセルフシステムは独特。
セルフ方式の店だということは知っていたが、それにしてもそのシステム、特殊。
うどんのメッカ・讃岐、香川県でいろいろな怪しい店に挑戦してきた結果、近年はどんなセルフシステムにも、そうそう戸惑うことはなくなっていた竜一。
がっ!
入店後、久々、どうしていいのかわからないよ状態に突入!
『大介うどん フライブルク店』の入口には、独特のシステムを解説した紙が貼ってあり、竜一もそこでおおよその流れは掴んだかに思えたが、イメージと実戦はまた別物。
まずは多くのセルフうどん店と同じく、セルフレーンの端に着く。するとカウンターの上に麺を1玉ずつ入れた"ざる"が並んでいる。
ざるに入れられた麺は「うどん」だけじゃない。「蕎麦」もある。
「なんだこれは、どうなっている。うどん屋に蕎麦があることは、香川などでもまれにある。しかし麺をざるに入れてカウンターに並べるなんて……」
見たことがないぞ、この状況……!
ざるに入れて並べられた麺の脇には、2種類のドンブリがある。
- 小さめの「白いドンブリ」が1~3玉を食べる人用で、300円。
- 大きめの「黒いドンブリ」が4~6玉用で、400円。
つまりドンブリの大きさで値段が決まる模様。
さらに黒いドンブリは4~6玉用とされてはいるが、最大で10玉ほど投入することが可能で、仮に10玉入れても黒いドンブリに入っている以上、値段は400円とのこと(うどんと蕎麦のミックスも可能)。
だが、このとき竜一、まだシステムを理解できていない。
「晩ごはんが近いから控えめに…。白い器に2玉、そのくらいにしておこうかな……」
この選択が完全に間違い。後悔することとなる。
大介うどんは、自分で麺を温める必要あり。
取った麺をテボに入れ、湯だまりで温める。
「常日頃から、俺は高知唯一のセルフ湯だまりシステム完備!『たも屋』で練習してきている。ざるの攻めには驚かされたが、テボの扱いでは1点も失わない……!」
『たも屋』での、客としての長い修行の過程で教えられてきたとおり……!
5秒~10秒温めおおす……!!
「あちらのお湯で、5秒から10秒温めお願いしますー」
いつも俺は『たも屋』でそう言われて育ってきた……!
花開く!修行の成果……!
「どうですか!大介さん!俺のテボさばき……!」
だが、このとき『大介うどん』の店員さん。誰も見ていない。竜一はただ、1人で麺を温めるだけ……!
麺を温めたあとは、トッピングコーナー ⇒ 会計の流れ。
ここで愛媛県名物「ジャコ天」を発見。迷わず取る。
「海に面した高知にも、美味しいカマボコを作る業者さんがいくつかあるけれど、ジャコ天がセルフうどん店のトッピングコーナーにあるのはレアケースだよな……」
セルフレーンの終点で、かけ出汁を入れてもらって会計。
「ここまで"超セルフ"だったけれど、出汁は自分で入れる方式じゃないんだな……」
ちなみにこの瞬間まで、竜一、一言も発していない。
多くのうどん店のように「かけ」や「ぶっかけ」「釜玉」などと注文すること自体がなく、客はただ麺を取る、好きなだけ取るのみ。
「驚きのシステム……!」
大介うどんには「注文」がないっ……!
(*「カレーうどん」などを食べる場合には注文する必要あり)
会計を終えて空席へ向かう。
かけうどん(2玉)・ジャコ天レボリューション
そのかけ出汁……!
愛媛に面す、瀬戸内海を彷彿とさせる、静水面……!
たしか70円~80円くらいとリーズナブルな値段で提供されていた「ジャコ天」。
「脇にいたんじゃあ、ただの『ジャコ天』と『うどん』……」
ゆこう!ジャコ天……!
入れる!竜一!
ドボーン!ジャコ天!かけ出汁の海へ!ダイブっ……!!
「ジャコ天はたったいま、海へ帰った……!」
おかえり!ジャコ天!
ジャコ天と共に、食べる!大介うどん……!
あえて言おう……!
この麺!フニャフニャであると……!!
コシなど、ほとんど感じない。だがこれでいい。
「伊予うどんは、昔からコシがないとされるもの。愛媛で生きるセルフうどん…『大介うどん』はこれでいい!むしろこれがいい……!」
もしかすると"湯がきたて"を食べると、もっとコシがあるのかもしれない。
だが、そもそも、ざるに麺を入れてカウンターに並べている時点で、「ゆで置きしてはいけない」という、コシ重視の思想が『大介うどん』にはないように思える。
「食べる側の好みも様々で、うどんにコシなどいらない、という人もよく見受けられる。そういう人に『大介うどん』は打って付けだ……」
大介うどんの「1玉」の量は少なめ?
瞬く間に完食した竜一。
「『大介うどん』の1玉はかなり少ない。2玉入れても一般的なセルフうどん店の1玉あるかどうか、そんな風に感じる……」
晩ごはんが近くても、せめて3玉にするべきだったと後悔。
「初めまして、と、さよなら、が、あまりにも一瞬の出来事だった……」
やわらかい麺、濃い出汁。
それらを一気に飲み干して思う。
「大介うどんは、飲み物です」
「普段は俺もコシの強いうどんが好きだが、『大介うどん』のこの感じも好きだな……」
この瞬間、生まれる、オヤジギャグ。
「だいすけ、だいすき!」
(以上です)
「大介うどん 松山フライブルク店」の所在地、営業時間、定休日、駐車場
所在地/愛媛県松山市南江戸5丁目477−8(地図)
営業時間/10:00~21:30(←信頼度低めのため要確認)
定休日/無
駐車場/有