うどんの本場・讃岐発のセルフうどん店「たも屋」。
- 安い
- 早い
- うまい
三拍子そろった和製ファストフード店で、うどん好きとして世界的に知られる私、竜一もよく利用させていただくお店である。
高知にも6店舗が存在し、さすがに「たも屋」を知らないというかたは少ないはずだが、
- たも屋のセルフシステムがよくわからない。
- 入ったことがないから、なんか恐い。
- 恐いって、食べられやしないよ。
- いいや、食べられそう。
- すでに半分食べられている。
そういう声も耳にするのはたしかである。
そこで今回は、世界でも有数の"たも屋フリーク"である竜一が、
- たも屋の歴史
- たも屋のシステム
- たも屋のメニュー
- たも屋の裏技的メニュー
- たも屋と私(?)
……などについて解説します!
讃岐発!うどんのFC店「たも屋」の歴史
元々は1996年、パチンコ屋店内の「うどん屋台」としてスタートした「たも屋」。
ここから世界に羽ばたく歴史が始まる。
5年後の2001年、香川県内に「たも屋本店」をオープン。
それからさらに4年後の2005年12月……。
「たも屋 春野店」オープン!
FC店として開店した、これが高知のたも屋1号店となる。
2018年5月現在、高知に存在する「たも屋」の数は6店舗
- 春野店(2005年12月オープン)
- 潮江店(2007年10月オープン)
- 南国店(2008年8月オープン)
- 高知インター店(2010年3月オープン)
- 大津バイパス店(2012年7月オープン)
- 帯屋町店(2018年3月オープン)←NEW!
県外では本店のある香川県はもちろんのこと、愛媛県や東京都、さらに海外、シンガポール、インドネシア、台湾、ベトナムにもFC店を展開し、もはや「世界のたも屋」と化している。
讃岐のセルフを高知に定着させた「たも屋」
席に座る前に、うどんを注文し、客が自分で麺を温めたり、自分で出汁をかける、讃岐には昔からあるセルフうどんのシステムを高知に根付かせた功績は大きい。
この約10年のあいだに、高知にもセルフうどんの店が増え、セルフ方式はもうすっかり定着しているが、たとえば「たも屋」が進出して来なかったら、これほど高知にセルフうどん店が増えただろうか。
結果的には、どのみち数年後にうどん界の黒船「丸亀製麺」が入ってきたわけだが、それでも「たも屋」で練習していなかったら、マイペースな人が多い高知県民はスムーズに丸亀のセルフレーンを通過できただろうか……!
そもそも「丸亀製麺」よりも「たも屋」のほうが、セルフ難易度は上。麺を温めてくれる丸亀と違い、たも屋は自分で麺を温める必要がある。
最初に厳しい状況を経験していれば、ほかのセルフなど、ぬるま湯のようなもの。
本場香川発の「たも屋」を経験していれば、「兄ちゃん何にする!はよして!次の人待っとるから!」みたいな、本場香川のセルフうどん屋によくいる厳しいおばちゃんにも怒られずに済む。
「たも屋」が高知県民を、讃岐のおばちゃんから救った功績は大きいのだ。
たも屋のセルフシステム
- 盆を持つ
- カウンターにてうどんを注文する
- 盆にうどんをのせてもらう
- 湯溜まりにてテボに麺を入れ、お湯で麺を5秒〜10秒温める。*元々熱い釜揚げ麺の「釜揚げ」や「釜玉」ほか冷たいうどんは温める必要なし
- 必要であればトッピング(天ぷら類やおにぎり)を取る
- タンクのコックを倒して出汁をかける。*かけうどんの場合のみ。ぶっかけや釜揚げは鍋から出汁をくむ
- 会計。*ひやひやの場合はこのタイミングで店員さんに申告すると冷たい出汁を取ってもらえる
- ネギや生姜などの薬味をのせる
注:帯屋町店のみシステムが異なり、店員さんが麺を温めてくれる。出汁をかけるのも店員さんがしてくれる。
待ち時間ほぼゼロ。出汁はかけ放題、薬味も入れ放題。
自分好みのうどんを作り上げられるセルフ方式は、慣れればとても楽。
たも屋のうどん。
たも屋のうどんは各店で"玉"の状態から製麺されていて、伸ばす、茹でる工程、さらには天ぷらを揚げるところが客側から見渡せるようになっている。
選べるうどんの量は、
- 小(1玉)
- 中(1.5玉)
- 大(2玉)
- 特大(3玉)
以前は「中」サイズが存在しなかったが、1玉では少ない、2玉では多いとの声があったのか、2017年5〜7月頃より中(1.5玉)サイズが追加されている。
うどんの価格は、原材料や人件費の高騰のためか年々値上げされているが、2016年12月時点で高知のたも屋は「かけうどん」が「小(1玉)」280円。「大(2玉)」390円。「特大(3玉)」500円といった設定。
店内に掲げられたメニューの数はそれほど多くないが、好みの具材を盛ることで幾通りもの食べ方ができる仕様となっている。
- かけうどん
- しょうゆうどん
- 釜玉うどん
- ぶっかけうどん
- 肉うどん
- ひやひや
- 釜バター
- カレーうどん
レギュラーメニューに記載されている、以上の食べ方を一通り解説します。
かけうどん
うどんの定番「かけうどん」。
温かい麺に温かい出汁をかけて食べる、香川でいう「あつあつ」の状態。
あえて湯煎しないことで、麺が冷たく出汁が熱い「ひやあつ」の状態にすることも可能。
取ってきたゲソ天をのせれば……。
ドォーン!
絶景の完成っ!
しょうゆうどん
麺に醤油を垂らして食べる「醤油うどん」。注文時に麺の温かさを選べる(画像は"醤油うどん[温]")。うどんのメッカ・香川県発祥のとてもシンプルなうどんの食べ方。
「たも屋」では、無料で勝手に取ってかまわない仕様の「レモン」を途中でしぼれば、味をまた変化させて楽しむことができる。
釜玉うどん
茹でたてのうどんに生卵を絡めて食べる「釜玉うどん」は、釜揚げのタイミングに当たらない限りは、大抵が番号札をもらって席で待つこととなる。
出来上がったら番号を呼ばれるから取りに行けばいい。このとき会計は、先に済ませても「釜玉」を受け取った直後でもかまわない模様。
受け取った「釜玉」に、釜揚げ・釜玉用の出汁をかけ、薬味をのせて完成。
あえて出汁をかけずに、卓上の醤油を垂らして食べるのもあり。
さらに"通な竜一さん"みたいに、出汁を少なめにかけて醤油も少しかけるという、ハイブリッド釜玉な食べ方もある。
ぶっかけうどん
「かけうどん」よりも濃い出汁をかける「ぶっかけうどん」は麺や出汁の温冷が選べる仕様で、「冷たいぶっかけうどん」と「温かいぶっかけうどん」が存在する。
画像はトッピングコーナーにて販売されている「温玉」に加え、「カニカマ天」をのせた仕様。
「月見うどん」「釜玉うどん」などあるように、うどんと卵は相性がいい。
肉うどん
「かけうどん」に「肉」をのせた、全国的に知られるうどんの食べ方「肉うどん」。
たも屋においてはそれを注文した場合、「かけうどん」と別皿で「肉」が提供される。
この仕様ゆえに序盤は「かけうどん」を楽しみ、途中で肉をのせて「肉うどん」を食べる。そういうことも可能。
自由度、自在性の高さは「たも屋」の特色、良さのひとつである。
ひやひや
麺も出汁も冷たいうどん「ひやひや」。「ひやかけ(冷やかけ)」とも呼ばれるそれは「かけうどん」の50円増しで提供されている。
無料で取ってかまわない、大根おろしやスダチを添えて食べると風流。ネギやおろし生姜は、もちろん外せない。
中でも、ひやひやにおすすめのトッピングは「天かす」。
温かいうどんに入れるのと違い、天かすがふやけず、最後までカリッとした食感が楽しめる。
キンキンに冷えた麺は、温かいうどんで食べるのとまた違った舌触り、弾力、歯応えが楽しめる。喉越しさえも違ってくる。
釜バターうどん
釜玉うどんに、バターとブラックペッパーを投入して食べる「釜バターうどん」。
バターとブラックペッパーが入るだけで、釜玉うどんの様相が一変。
イタリアンパスタみたいな世界が広がる……!
変幻自在。いかようにでもなる。うどんの可能性を感じる1杯。
カレーうどん
カレーうどんは注文すると、麺が冷たい「ひやあつカレーうどん」にすることも可能。麺が冷たいと全体の温度は下がるが、温かい麺よりも麺の弾力が強くなる。温冷の対比も楽しめる。
たも屋は、メニューがすべてではない。
メニューに「天ぷらうどん」や「きつねうどん」などない「たも屋」。
だがトッピングを駆使することにより、自分で好みのうどんが作り出せる。
たとえば「月見うどん」。
たも屋で「月見うどん」を食べる方法は、まず「かけ」を注文する。さらに「生卵をください」と発声して、生卵(+50円)を手に入れる。その生卵を「かけうどん」の上に割り入れれば、「月見うどん」の完成だ。
「天ぷらうどん」はトッピングコーナーに陳列された、好みの天ぷらを取れば完成するし、「きつねうどん」も同様にトッピングコーナーにて「揚げ」を取れば完成だ。
「わかめうどん」にいたっては、たも屋は無料でワカメが取り放題となっているため、「かけうどん」を勝手に「わかめうどん」にすることができる。
「かすうどん」など特殊な食べ方を除けば、たも屋では大抵のうどんの食べ方が実現可能となっている。
冷蔵庫に入っている"山芋とろろ"をかければ「山かけうどん」の完成。
無料で取り放題の大根おろしを加えて「みぞれうどん」にすることも可能。
二日酔いのときなどに最高の1杯だ。
うどんの出汁におにぎりを投入することで「出汁茶漬け」にして食べる裏技もある。
たも屋は、ほぼ全店で「朝うどん」可能
高知県にある「たも屋」は帯屋町店以外の全店が朝8時から営業していて、朝ごはんに「うどん」を食べることができる。
「早い、安い、うまい」三拍子そろった、ジャパニーズ・ファストフードは忙しい朝に重宝する。
朝うどん、昼うどん、
夜もうどんを食べるんだ。
私と、たも屋(←なにこれ)
たも屋は、私にセルフうどんの"いろは"を教えてくれた。
- 「盆の持ち方」⇒ 斜めにするとうどんが床に落ちる。
- 「テボに麺を入れるときに払うべき注意」⇒ 油断すると湯溜まりに麺が落ちる。
- 「天ぷらの取り方」⇒ ちく天など、長いものは中心をトングで上手に挟まないと重量バランスが悪く、やはり落ちる。
- 「かけ出汁の入れ方」⇒ 指を器の内側に入れて持つと、出汁の熱でヤケドする。
- 「ネギの盛り方」⇒ 器を近づけて盛らないと、ネギがスプーンからこぼれる。
高知県内にある「たも屋」はもちろん全店制覇しているため、今後は香川県内と愛媛県のたも屋を攻めたい。
そして東京のたも屋、果ては海外のたも屋と、たも屋をめぐる私の夢はちょっとした風呂敷みたいに広がる。
ほぼ待ち時間なしのセルフで開放的な空間であるため、気軽に行けるのが「たも屋」という店、最大の利点。
- ついつい行っちゃう。
- 朝も昼も行っちゃう。
- 夜営業の帯屋町店ができたから、夜も行けちゃう。
- どうしよう……。
そのためブログへの登場回数も数えてはいないが、おそらくぶっちぎりの1位。
もうとにかく、あっぱれ……!!!
たも屋に、あっぱれだ!
たも屋に「あっぱれ」を勝手に送って、このエントリーを締めたいと思う。それでは皆様、きょうも楽しい"たも屋ライフ"を。(謎)
高知の「たも屋」全店の所在地、営業日、定休日、駐車場
営業時間/8:00~15:00(帯屋町店のみ9時〜21時まで営業)
定休日/年始のみ
駐車場/有
営業形態/セルフ(詳細は本文参照)