ここは本当に高知か……!
南国土佐なのか……!
2018年2月。高知県高岡郡越知町は雪に包まれていた……。
高知では超有名なラーメンの名店『自由軒』。その本店を目指す。
道に積もる雪はどんどんとその量を増すが、融雪剤が撒かれているおかげで走行に支障はない。
そして自由軒まであと少し。間もなく到着というタイミング……。
「この先チェーン規制になってまして……」
雪道に立っていたガードマンに呼び止められる。タイヤを見た。「ノーマルタイヤですか」
自由軒直前でのチェーン規制。
終わった。
名店とのあいだにあるハードルはなんと高いものか……。
「ラーメン屋に行きたいんですけど……」
そう言う私に女性ガードマンは聞く。
「自由軒?」
「そうです……」
女性ガードマンはハッとした表情を浮かべた。
「自由軒だったら大丈夫です。野老山(ところやま)から先がチェーン規制ですので」
とはいえ……
自由軒本店、周辺は大雪!
高知の平野部ではなかなか見ない……
圧倒的!積雪っ……!!
自由軒 本店(高知・越知町)
雪の自由軒……!
そこに私はいた……!
自由軒 本店の店内
「こんな雪の中、わざわざラーメン食べに来る物好きはいないだろう」
そう思っていたが、実際は待機客が出るほどの大盛況。いつもの自由軒本店の風景がそこにあった。
ただ違うのは、えらく雪が積もっている点。
かつて「流しソーメン」をしていた小屋が、現在は待合室になっている。そこに入って順番を待つ。ストーブが焚かれていて暖かい。テレビも点けられている。
「どうしてハクサイがあるんだ?」
現在は使用されていない、流しソーメン用のテーブルに大きなハクサイが丸々1玉置かれている。
「いまハクサイ高いからなぁ……」
高級ハクサイを眺めて待っていると、すぐに順番は回ってきた。
自由軒本店の店内はそれほど広くなく、1階はほぼテーブル席で、座敷が2卓ある。2階にも座敷があるようだが現在は使われているのか不明。
自由軒 本店のメニュー
自由軒本店のメニューは、大津店とほとんど同じ。
ラーメンメニューの構成はまったく同じである。
唯一違うのは、ごはんものに大津店にある「天津飯」がない点。
参考記事:ラーメンの名店「自由軒」高知・大津!人員不足でメニュー数削減…。
もやしラーメン(醤油)
初手は大量のモヤシがのった「もやしラーメン」。
「醤油」「味噌」「塩」から、選べるスープは「醤油」を選択。
世界が具材で覆い尽くされている……。
味噌カツラーメン 半チャーハンセット
間もなく……
巨大なトンカツは現れた……。
自由軒の名物にして、高知名物……。
味噌カツラーメン!
半チャーハンとのセット。
大きなトンカツが、味噌味のスープに浸かる……。
ありがたき幸せ……!!
煮卵とコーンがデフォで搭載される、自由軒のラーメン。
味噌カツにしてもチャーシューは省かれない。豚肉と豚肉による共演が楽しめる仕様。
ラーメンとトンカツを……
同時に食べる幸福っ……!!
スープに浸かった……
衣が……豚肉が……!
自由軒の世界を見せつける!
「ぐあっ!体内から、わ…私のフリーダムが解き放たれる……!」
自由だ……!
心が、自由になっていく!
「思えば味噌カツラーメンなんてのも、ずいぶん自由なラーメン……」
ラーメンにトンカツをのせようだなんて、いったい誰が考えたのか……。
「無茶苦茶……自由すぎる発想……」
それを空想に留めず実現させた結果、いまでは高知の多くのラーメン屋さんに「味噌カツラーメン」は定番メニューとして存在する。
「こんな異色なラーメンが定番。なんて自由なんだ……」
高知県の山の中にある越知町。
雪の自由軒。
自由は土佐の山間から生まれたのだ……。
自由軒のほか記事こちらから
自由軒本店の特徴まとめ
- メニューは高知市「大津店」とほぼ同じ。
- 味噌カツラーメンはトンカツだけで十分お腹が張る大きさのため、小食のかたは注意。
- チャーハンはしっかり味が付いたタイプ。
- 冬の自由軒本店は雪に注意。
自由軒本店の所在地、営業時間、定休日、駐車場
- 所在地/高知県高岡郡越知町野老山2882(地図)
- 営業時間/11:00~21:00(L.O.20:45)
- 定休日/月曜日、第2火曜日(祝日の場合は営業、翌日休み)
- 駐車場/有
- ■カウンター席/無 ■テーブル席/有 ■座敷/有(1階は2卓。2階は使用されているか不明)