香川県は丸亀市綾歌町にある『手打ちうどん まえば』。
創業は昭和30年代とのことで、半世紀以上前から営業されている老舗の製麺所だ。
……とはいえ以前ご紹介した「穴吹製麺所」など、老舗の製麺所やうどん屋さんがいまも多く残る香川県においては、めずらしくない営業期間の長さではある。
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手打ちうどん まえばの店内とシステム
老舗の製麺所だけあり、年季の入った店内。
しかしその雰囲気が素敵で見とれてしまう。いかにも香川のうどん屋さんといった空気が漂っていて、いつまでもここにいたくなる。
住めと言われれば、うどんの生麺を抱いて、
ここに寝泊まりしたい!
そういった空間なのだ。
「手打ちうどん まえば」はセルフ方式
ほとんどの製麺所がそうであるように、『まえば』のシステムは香川スタイルの「セルフ方式」。
カウンターで麺だけを器に入れてもらい、あとは食べ方に合わせて、客が自ら1杯のうどんを作り上げていかなければならない。
麺を温めるには、自分で麺をテボに入れて湯だまりで温める。かけ出汁はタンクに入っているから、自分でコックを捻ってかけたい量をかける。天ぷらや、ネギ、生姜などの薬味ももちろん自分でのせる必要がある。
【まえばのセルフシステム、まとめます!】
- カウンターにて注文。
- 麺を温める場合は湯だまりにて、テボに麺を入れて温める。
- 食べたい天ぷらや、おむすびなどがあれば取る。
- かけうどんの場合は、タンクに入った出汁をかける。
- ネギや生姜などの薬味をのせる。
- 会計。
- 空いた席で食べる。
- 食器をレジ近くの台に返却して、退店。
手打ちうどん まえばのメニュー
『手打ちうどん まえば』の主なメニューは以下の通り(いずれも「小」1玉の価格)
- かけうどん/210円
- ざるうどん/310円
- 釜揚げうどん/310円
- 冷やしうどん(夏季限定)/310円
湯だめうどん
来店した時間が遅すぎて「釜揚げ」はできないとのことで、初手は「湯だめうどん」。
次順は「かけ」。
かけうどん+カマボコ天
透き通った、かけ出汁。
『まえば』で特筆すべきは、
この出汁。
香川のうどん屋さんを全店制覇されたような、地元のうどん通のかたも唸る『まえば』のかけ出汁。
それは見た目の透明度に反して、飲むと濃密にイリコの旨味がギュッと凝縮されているのがわかる。
味は、重いのに軽い。重いのに軽くてゴクゴク飲める。よくある出汁よりも一段上の次元をいっているのが、とにかく飲めばわかる。
高知の川でいわば、仁淀川!
近年注目を集める「仁淀川」が"仁淀ブルー"と呼ばれるほど、透き通った青さをしているように、まえばの出汁は……
イリコ出汁の色に染まっている!
この出汁の中を泳げたらどうだろう……。
泳ぎながら、たぶん飲むね。
ゴクゴクこの出汁飲んじゃうよ。
"もみじ"のようであり、鳥の羽のようにも見える、独特の形状した天ぷら。その正体は「カマボコ」。
その天ぷらを、おいしい出汁に浸してみなさい!
衣に出汁をいっぱい含んだ天ぷら、そしてカマボコが……
気持ちいい!
喜んでいる……!
カマボコが喜んでんだよ!
揚げ置きの天ぷらだから、温かくはない。当然冷めている。
しかし……!
それがどうした……!
揚げたてが正義、
そんな常識、ここでは通用しない!
出汁が、すべてを救うのだ。
……と興奮していたら、ネギと……生姜農家なのに生姜を入れるのを忘れた。
途中から慌てて入れる。
しかし考えようによっては、ネギや生姜を途中から入れることで、序盤は『まえば』の出汁を存分に楽しめたともいえる。
きた……!
ケガの功名……!!
1滴残らず飲み干して、ごちそうさま。
ああっ……!
まえばの出汁を、頭からぶっかけられたい!
▼ 『まえば』から車で5~6分!おすすめうどん屋さん。
「【讃岐うどん】本格手打うどんセルフ「はゆか」香川県・綾歌郡綾川町」
「手打ちうどん まえば」の所在地、営業時間、定休日、駐車場
所在地/香川県丸亀市綾歌町栗熊東420−2(地図)
営業時間/10:00~16:00頃(麺切れで終了、15時前に売り切れることもあり) *土日祝は9:30頃の開店を目指しているが、なかなかそのようにいかないとのこと。
定休日/木曜日、ほか臨時休業の場合あり
駐車場/有
一人行きやすさ/◎ カウンター席あり
子連れ行きやすさ/○ 座敷2卓あり