あるところに父と娘がいました。父は無類のうどん好きで、この日は幼い娘を連れて『たも屋』に来たのでした。 「へっへっへ。何が食べたい?父ちゃんが何でも食べさせてやるぞ。へっへっへ」「アタチ、釜バターが食べたいっ!」「おおっ!初めてのたも屋で釜バターとは…!なかなか通なところを攻めるな。さすがはワシの子じゃー。へっへっへ」 父ちゃんは、えらく腰の低い人でした。「す…すいません!釜バター二つ…!!」 すると店員さんは言いました。「いまから麺を湯掻きますので、少しお時間よろしいですか?」「は…はいっ!」 先に会計 ...