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(*この記事は「金婚・鹿児島放浪記!」第9話です。前回の8話は↑のリンクから!1話から読む場合はコチラをクリック!⇒「1話から読む」)
オビ=ワンと共に『砂むし会館 砂楽』の向かいにある旅館『月見荘』に戻ってきた竜一・・・!
<歩いて宿に戻っても湯冷めしない距離!砂むし会館に行くなら『月見荘』に宿泊するのは最良の策と言える・・・>
開口一番、おおむね想定通りの言葉をオカンが吐く・・・!
「待ちかねた!あんたら、えらい長かったねぇ。どればぁ入りよった?」
「25分ばぁ・・・」
「えっ!」と驚いた顔をするオカンの側で、聞いていたオバ=アが口を挟む・・・!
「あれ10分しか入られん言いよったで・・・!」
「入られんとは言わんかったろうがえ!"目安"が10分言いよったろ・・・!」
あの局面!目安10分の砂風呂に25分埋まった竜一!低温ヤケド寸前の危機にさらされながらも、そこまでして飲みたかったのだ・・・!
極上のビールをっ・・・!
(* 我慢しかねて写真を撮るより先に、じつは飲んだ)
部屋から食事用の個室に移動して、まずは1杯・・・!
<うぉぉぉぉぉ!なんっだこのビール・・・!>
ううううう・・・
うまいっ!うますぎる・・・!
さかえの醤油うどんくらい、うまいっ・・・!
25分間ですっかり蒸しあがった竜一の全身に、電光石火!駆け巡るビール・・・!
圧倒的!冷涼感っ・・・!
真っ赤に燃える鉄に水をかけたみたいに、凄まじい勢いで噴出する・・・!
愉悦の蒸気っ・・・!
オビ=ワン!オカンと共に3本ほど飲みおおし・・・!
いざ・・・!
2日目!晩ごはん!
<おやっ!茶碗蒸しがある・・・!>
じつは竜一!隠れ茶碗蒸しフェチ!どのくらい茶碗蒸しが好きかといえば、98円の茶碗蒸しをスーパーにて、月に1回ほど買う程度の好きさ加減・・・!
<朝も鹿児島市内の旅館で「しゃぶしゃぶ」だったのに、ここでもまた「しゃぶしゃぶ」がある・・・!>
しかもそれ!鹿児島だけあって「かごしま黒豚」のしゃぶしゃぶ・・・!
<普段なかなか食べられない「しゃぶしゃぶ」を、1日に2回!朝晩に食べるなんて、いいのかよ!そんな贅沢っ・・・!>
凄まじい鹿児島の黒豚推し・・・!
高知でいわば「カツオのタタキ」に相当する・・・!
そして美しい盛り付けの一皿!中央にドッカリと鎮座するのは有頭エビ・・・!
<エビなんか高級すぎて、日常においてはセルフうどん屋のエビ天でも価格にビビって、取るのを躊躇するくらいなのに、このような頭の付いたエビを俺みたいな庶民に提供していただけるとは・・・!>
ありがたいっ・・・!
しかもエビはまだ温かい・・・!
<お前も砂風呂に入ってきたのか!この温かさは砂風呂に25分入った温かさだ・・・>
さらには「キビナゴの刺身」・・・!
それをテーブルに置きながら「珍しいでしょ?」みたいなことを言う仲居さん・・・!
<こ、高知にもよくあるとか言えない・・・>
ただ刺身醤油ではなく、「酢味噌」をつけて食べるのが鹿児島流の模様・・・!
以後、リリーフ!救援陣が続々とやってくる・・・!
「黒豚とんこつ」
黒豚を骨ごと角煮にしてある料理・・・!
<鹿児島の黒豚推し!半端ない・・・!>
2夜連続での登場・・・!
<おおっ!よく煮込まれていて骨まで食べられる!やわらかいっ!肉も骨も全部がやわらかい・・・!>
竜一が食べた「黒豚とんこつ」はたしかに骨まで食べられた!だが竜一以外の3人は全員が骨を残している・・・!
<これだから田舎っペは・・・。どりゃ、俺が食べ方を教えてやろう・・・>
「ちょっとアンタら!骨を残いていくかえっ!骨がうまいがやにっ・・・!」
竜一のその声に怪訝な表情を浮かべる、ほか3人・・・!
「骨は食べれんろうがえっ・・・!」
想定通り、反対意見を述べてくるオバ=アに、ニヤリと笑う竜一・・・!
「ほんじゃあ、その骨を俺にくれっ!俺が食べちゃおき・・・!」
オバ=アが残した黒豚の骨を、ヒョイと箸で摘まんで口に入れる竜一!そして噛む・・・!
げっ!かたいっ・・・!
「あっ!あらぁ!俺が食べた豚はやわらかかったのに!これ!かたい・・・!」
驚愕して、骨を吐き出す竜一・・・!
「骨らぁ食べれるかやっ・・・!」
そう言って、せせら笑うオビ=ワン・・・!
「なんで・・・!」
追い詰められた「骨まで喰らう男」竜一!わけのわからないことを言い始める・・・!
「あぁっ!この骨、もう冷えて固まったがかもしれんっ・・・!」
「そんなことあるかや・・・!」
むかつく!このオジイ・・・!
「ホントに俺の豚は骨まで食べれたがやき・・・!」
「豚の骨まで喰う者、初めて見たよぉー」
言われたい放題に言われながら、竜一!天ぷらに手を伸ばす・・・!
近代アートみたいな盛り付け・・・!
「盛り付けが綺麗なき、崩すががもったいない・・・」
「そやねぇ・・・!」
などと、オカンと話す・・・!
シメは「菜めし」と「漬物」・・・!
<強めの攻撃が続いたあとに「菜めし」!これはイイ!胃が落ち着くというか、なんだか安心する・・・!>
ありがたい・・・!
お米と野菜・・・!
ありがたいなぁっ・・・!
<でも、まだまだ足りない・・・!>
倍プッシュだっ・・・!
食べていた個室のインターホンを鳴らして、「菜めし」おかわり・・・!
<本当は4杯ほど食べたい局面!しかしおかわりしまくるのも恥ずかしい!2杯でやめておこう・・・>
翌朝・・・!
3日目!「月見荘」で食べる朝ごはん!
<夏野菜オクラ!1月のいまの時期にお目にかかるとは・・・!>
目を丸くする竜一に微笑む仲居さん・・・!
「指宿はオクラの生産量が多いんですよ」
<こ、高知もオクラの生産量、結構多いんですけど。なんて言えない・・・>
がっ!調べると平成24年度のオクラ出荷量1位は、鹿児島県!4930トン!2位は我らが高知県で1954トン!高知に大差をつけて鹿児島の勝ち・・・!
(* 仲居さんすみませんでした。高知は鹿児島様の足下にも及びませんでした・・・)
【晩ごはんのときの、箸袋】
【朝ごはんのときの、箸袋】
その変化に気が付いた竜一!オカンに話しかける。
「ねぇねぇ、箸袋が変わっちゅう!」
「あら、ホントや・・・!」
<方言の正しい意味はわからないけれど、言葉の雰囲気でなんとなくわかる>
『月見荘』のさりげない気遣いに、心、ほっこり。
(「金婚・鹿児島放浪記!」第9話・終。10話につづく・・・!)
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◆ 旅館 月見荘
(鹿児島県指宿市湯の浜5丁目24−8)
「月見荘のホームページ」