月別アーカイブ:2012年04月

めん處 雅(みやび) ~再訪~ EP2/優しいおじさん

『EP1を読む』 『EP3を読む』 『EP4を読む』 高知市瀬戸の閑静な住宅街の中にヒッソリと佇む「雅」 そこに迷わず辿り着くのは至難の業で、 戌年(いぬどし)だから10キロ離れた場所からも出汁の香りを嗅げて、 しかも嗅ぎ分けられる、非常に優れた嗅覚を持つ私ですら、初回はさすがにグーグルマップの力を借りた。 けれども、今回は2度目だ。 <戌年である俺が・・・一度来た場所を忘れるものかね・・・!> 一寸の迷いも無く、完璧なるライン取りでコーナーを曲がりに曲がって、 区間最速のタイムを刻みながら、終点である「 ...

めん處 雅(みやび) ~再訪~ EP1/決着の刻

『EP2を読む』 『EP3を読む』 『EP4を読む』 もう随分と前、十代の頃。 思春期真っ只中だった当時の私には、好きな人がいた。 「竜一君って、好きなものから先に食べるタイプ? それとも好きなものは、あとに取っておいてから食べるタイプ?」 彼女の唐突な質問に、少し考えて、うつむきながら答えた。 「俺・・・テキトー・・・」 「そうながや!」 クスクスと可愛らしく笑いながらそう言う彼女の姿が、 淡い思い出として今も脳裏に焼き付いている。 あれから十数年。 相変わらず私は、先に食べるとか、あとから食べるとか、 ...

【高知】セルフうどん「ひなた屋」サバの突撃

実は、「勝手にうどん振興協会」を勝手に設立している私は、 目当てのうどん屋さんに行く際に、通り道にあるうどん屋さんの状況を逐一確認している。 うどん屋さんの経営は難しいみたいで、 オープンから何年も持たずに閉店してしまううどん屋さんも少なくない。 誰が食べても美味しくないから閉店するのならわかるけれど、 光るモノが確実にあって、それが徐々に輝き始めた頃に、終了のお知らせ。 悲しいじゃないか。 「これからだったのに・・・! アンタのうどん、他の誰もが打てないようなうどんで、 うどんの常識・・・固定観念という ...

晶栄寿司(しょうえいずし)

酒を覚えたての頃は、飲み歩くのが楽しくて仕方が無くて、週一ペースで街に繰り出しては、日付が変わるまで飲んだりしていた。 しかし、近年は酒を飲み歩く楽しさよりも、引き篭もり志向が上回り始めて、飲み歩くことをパッタリとやめてしまった。 飲んでから、はるばる辺境の家まで帰るのは面倒臭いし、そもそも街に繰り出すこと自体が、億劫になってしまっている。 一緒に飲みに行こうよ、という誘いも無いし。 もはや、仕事とうどん以外のことでは家から出たくないし、部屋からも出たくない。<俺のことなんか放っておいてくれ!俺はこの部屋 ...

高知!土佐市のセルフ!さぬきうどん「清瀧」(きよたき)

土佐市には随分と前から大手をかけていた。 土佐市うどん主要5店の内の4店(「中乃家」「黒潮うどん」「よし乃」「一蓮」)を制覇して、残すところあと1店となっていたのだ。*一蓮はその後に閉店されました。 だが、私は元々"新規開拓"にはあまり興味が無く、むしろ気に入った店ばかりに通うタイプで、土佐市制覇なんかしなくてもいいや、と思っていたのだけれど、やはり土佐市制覇はしておかないと、そこに転がっているパズルの最後の1ピースを、はめないまま放置しているみたいでスッキリしない。 だから、なんとかやる気を出して土佐市 ...

さぬきのセルフうどん 愉楽家(ゆらくや) 高須店

頬を伝う涙を覆い隠すように厚い雲が蔓延って、空は大粒の雨を降らせた。 <俺の分まで・・・泣いてくれてるんだね・・・> 泣いていた。空が私と共に泣いていた。 <こんなに沈んだ気分を晴らすには・・・そうだ、うどんしかない・・・!香川だ・・・アルデンテのメッカ・讃岐に行けば、きっと俺の空を晴らすことが出来る・・・!> 私は車を走らせた。100万ドルの価値があるとされる私の笑顔を取り戻すためには、讃岐に行くしかないのだ。 愛媛県経由で讃岐に行こうと、雨の大津バイパスをひた走る。すると、一軒のうどん屋が目に入った。 ...

本手打ち讃岐うどん さかえ 素の力

<この店さえ・・・!この店さえ無かったら・・・!俺はうどんに人生を狂わせられることなんて無かったのに・・・!> 20代前半の頃、当時、駈け出しのうどん中毒だった私に、うどんの美味しさを教えてくれてしまって、重度のうどん中毒にしてくれやがった店、それが今も高知中東部の人気店として君臨する香美市土佐山田町の『さかえ』である。 前にも同じようなことを書いた気がするけれど、『さかえ』にはうどんの麺の美味しさを教えてもらった。 醤油でもかけときゃ喰える麺は、世界中にいろんな麺がある中でもうどんぐらいしかないんじゃな ...

ラーメン・牛すじ処 どば みそバター塩バターコーンラーメン

気が付くと何年も会っていない知人に、「おーい元気か」と電話をしたりメールを送ったりして、 連絡を取ってみたりすることが誰しもあると思うが、私は、それと同じような感覚で麺屋に行く場合が多々ある。 昼に時間がある時は、昼にしか営業しない店が多いうどんを最優先するため、 必然的にラーメン屋には夜行くことになりがちで・・・この日も、やっぱり夜だった。 『ラーメン・牛すじ処 どば』 オープンして間もない頃に一度だけ来て、 その後は、うどん至上主義の世論ならぬ"竜一論"に押されて、 しばらく逢っていなかった『どば』で ...

Deer Land Farm 岡崎牧場 春風の章 後編/ムギュムギュウサギ

前編はコチラッ・・・!『Deer Land Farm 岡崎牧場 春風の章 前編/骨肉の争い』 弱肉強食、自然界の掟は、たとえ家族のあいだでも適用されるのだ、ということを体現して見せてくれたヤギ一家の隣にはウサギがいた。 最初、ウサギにもニンジン本体をあげようとしていたのだけれど、なんだか岡崎牧場のウサギ達は、ニンジン本体よりもニンジンの"葉"のほうが好きな様子だったから、本体の処理はヤギ一家に任せて、ウサギ達には葉を食べていただくことにした。 ニンジンの葉をフリフリと振りかざすと、私のそばに寄って来て、「 ...

Deer Land Farm 岡崎牧場 春風の章 前編/骨肉の争い

『味里』でうどんを食べて、『麦笑』でうどんを食べて、合計3玉分のうどんを取り込んだあと、私は車で高知市北部の円行寺という地区を目指していた。 万々のTSUTAYAの脇を抜けて北へ進行すると、山が近付くに連れて急速に周囲の家々は数を減らし、唐突に田舎風味が漂い始める。 一度来て場所はバッチリ記憶しているから、迷うこともなく、余裕のよっちゃんにて、到着。 『Deer Land Farm 岡崎牧場』 到着して車を降りると、牛がいた。 牛は、私をジッと見つめたまま、視線を外さなかった。ずっとだ、ずっと私を見つめ続 ...

おむすび・たけざき・玉子焼

『cafe chang(カフェ・チャン)』でタイ料理を満喫して、身も心もタイ人になり始めていた私は、忘れ掛けていた日本人としての心を取り戻すため、『イオン高知』に出向き、高知では知らない人がいない、有名な『ショップたけざき』が運営する店にて、おむすびのセットを購入。 イオンのフードコートで食べる手立てもあったのだけれど、人がウジャウジャいたし、普段、家族以外の誰にも会わずに一日が終わったりすることもある孤独な農民にとって、そういう環境は、すこぶる居心地が悪いから、テイクアウトして家で食べる。 俺は一匹狼な ...

さぬき 結 みそカツうどん

<ラーメンの上にトンカツが乗っている・・・!ラーメンの上にトンカツだぞ・・・!いいのかよ・・・こんな贅沢っ・・・!> 子供の頃、オカンに連れられて行った『豚太郎』そこで受けた衝撃は、未だに忘れることができない。 あれから20年。 私は自分で働いて得たお金で、『セレブの食べ物・味噌カツラーメン』を食べられるようになった。 毎日食べたらさすがに懐具合が苦しくなるけれど、時々だったら食べられるようになった。 そんな味噌カツラーメンが、近年、全国どこでも食べられる物ではなくて、高知特有の食べ物であると知ったときに ...

cafe chang (カフェ・チャン) EP3/アジアな夢

『EP1を読む』 『EP2を読む』 自分の中で最大の難関である"注文"を終えて待つあいだ、少し店内を見渡してみた。 柔らかな茶色をした木のテーブルとテーブルのあいだには、天井からアジアチックなデザインの生地が垂れ下がっていて、それが目隠しとなって、他の客を気にしなくて済む配慮がなされている。 これは私みたいな、内気でネクラで人目が気になる人には嬉しい配慮だ。 生地は壁にも掛けられていて、赤褐色の色合いの中に動物の刺繍がされていたりと、いかにもアジアな雰囲気を強く醸し出していて、思わず言葉がこぼれた。 「タ ...

cafe chang (カフェ・チャン) EP2/自然タイ

『EP1を読む』 『EP3を読む』 憧れのタイの料理が食べられると聞いて来た『cafe chang(カフェ・チャン)』は、『東印度公司(ヒガシインドコンス)』という、エスニック雑貨や服飾を扱う店に併設されていた。 <混んでなかったらいいんだけど・・・!> 常日頃、場末のうどん屋ばかりに行っているせいで、こういう、いかにもオシャレな女性達が集いそうな"カフェ"に対する免疫がまったく無くて、大抵の場合、"入りづらい"という感覚を覚えてしまうのだけれど、『チャン』は違った。 まるで我が家であるかのような自然体で ...

cafe chang (カフェ・チャン) EP1/高知のタイへ

『EP2を読む』 『EP3を読む』 二十代の内に、しておきたかったけれど出来なかったこと。それが『海外旅行』だ。 だが、一口に"海外旅行"と言っても、多くの人が想像するであろう一般的なソレと、私がしたかった海外旅行は、おそらく違っている。 私がしたかったのは、一人で、バックパックを背負って、安宿に泊まりながら、長期間、様々な国々を旅する、そういう海外旅行だ。 けれども、私もとうとう三十である。 まだまだこれからじゃないか、と声をかけてくれる心優しい人もいるかもしれないけれど、この夢を思い描き始めた十代後半 ...

手打うどん 吉川 復活の章

オープンした当初は「麺が細いうどん屋さんだなぁ」ぐらいにしか思わなかったのに、『武蔵野肉汁うどん』を食べて「おぉ!この店面白いことになってきたぞ!」と、急速に興味を持ち始めていた矢先であった昨年12月のある日。 突然長期休業に入った、香南市野市町の『吉川』その吉川が、3月16日、ついに復活。 <待ってたぜ、吉川ちゃん・・・!キミには早速ボクの胃袋に入っていただくよ・・・!> 元来の人混み嫌いで、祭りやイベントなんかあんまり好きじゃないし、新規店や、今回の吉川みたいに、営業再開直後で、いかにも混んでいそうな ...

セルフうどん 麦笑(むぎわら) 後編/新星キラリ

前編はコチラっ・・・! 『セルフうどん 麦笑(むぎわら) 前編/進め!うどん農民!』 噂の新店。 対峙。 <看板の字体・・・! 尖ってる・・・!> ドアノブをギュッと握って引く。 店の奥へと向かった私を、 口髭を生やした男性が呼び止める。 「あぁっ・・・コチラで注文お願いします・・・!」 <しまった・・・行き過ぎた・・・! セルフ店だということは事前に知っていたのに、思わず奥に行ってしまった・・・! 恥ずかしい・・・百戦錬磨のこの俺が・・・トーシロレベルの失策っ・・・!> 予めセルフだと知っていてのオーバ ...

セルフうどん麦笑の外観

セルフうどん 麦笑(むぎわら) 前編/進め!うどん農民!

ドキドキ、ワクワク。 遊園地に着く直前の子供みたいに、気分が高揚していた。 久し振りに高知に新しいうどん屋さんが誕生したのだ。 記憶が正しければ、去年の秋以来で、もちろん今年初の新規出店。 しかも、それは『味里』の直線上にあり、徒歩1分。 最初からそのつもりだった。 新進気鋭の店に、逢いに行くつもりだった。 味里を並盛でやり過ごしたのだって、全部作戦。 新店はセルフ。 そういう情報は事前に掴んでいたから、 "セルフの店は大抵1玉の量が少ない"というセオリーから、味里に先に行き、 その後、腹の張り具合に合わ ...

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