竜一
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『第5話-1を読む』 『穴吹製麺所』 昭和30年頃に創業された。そう攻略本にも書かれていただけに、 名ばかりの製麺所ではない。 10人も入れるだろうか…というほどの飲食スペース。 飲食スペースは、ついでに設けてあるだけ、といった様相。 たまんねぇっ……!俺…こういうの好きっ…!! 店全体からほとばしる……! 圧倒的!讃岐感! 讃岐じゃないと、なかなかない。こういうお店。 ワクをテカテカさせながら、入る。 飲食スペースと製麺スペースを仕切るカウンターで、店のおじさんに麺を貰う。 「ぬくいんと、ひやいんがある ...
『第4話-2を読む』 次、3軒目! 2軒目の『よこいうどん店』を出たあと、助手席に座る私は駐車場に停めた車内で、例の攻略本を開いた。 交代した運転手・嫁に攻略本を見せて言う。 「この近くでなんか面白そうな店ないろうかね?」 今回の讃岐うどん行脚。事前に行く店を決めているわけではなく、ほぼ行き当たりばったり。 そして最初から、選出の基準は、 "美味しそうな店"、ではなく、"面白そうな店"。 「おっ!ここは?"駐車場でうどんを食べる人もいる"とか書いちゅうっ…!」 うわぁー!これこれ!聞いただけで、オラ!ワク ...
『第4話-1を読む』 嫁の『えびの天ぷらうどん』 お母さんの『釜揚げうどん』 バシバシ撮影していくブロガー婿、竜一。 だがっ! お父さんの『ざる蕎麦』 それだけは撮れずっ…! 言えばきっと撮らさせてくれる…! でもダメ……撮っちゃダメな気がする… 撮ったら最後………越えちゃいそうな気がするんだ… 峠における……… 天城峠みたいなものをさぁ…!! 紆余曲折ありながらも…底に溜まったぶっかけ出汁を絡め… GO!山かけ!GO! すっごい粘ってるよ!すっごい粘ってるって! 引き締まった冷たい麺。ドロドロの山かけと ...
『第3話を読む』 行くぞ…!2軒目……! 『よこいうどん店』 完全な手打ちで、足踏み、手切りしていると例の攻略本に書かれていた店。 雰囲気がいい……!なんていうか…老舗の雰囲気…! セルフ方式。カウンターで注文する。 このとき竜一。迷っていた。 『えびの天ぷらうどん』と、『山かけ』がオヌヌメらしいけど…! いったいどっちにすればいいのやら… えびの天ぷらうどんか…!山かけか………! 嫁、先に注文。 「えびの天ぷらうどんー☆」 ええっ……!俺もそれが良かったのに…! 取られた……! いや………しかし……… ...
『第2話を読む』 神社うどん、そして神社そのものを堪能した我々は、2軒目のうどん屋を目指す。 その道中。車内にて――。 (道路の画像は1話の使い回しです、笑) 「うどんが安かったねぇ!」後部座席に座るお母さんが言う。 「4人で600円ですからねー。高知の一般店やったら、1人しか食べれてないですね」 そう言いながら、竜一、改めて思った。 香川のセルフは安いっ! 相変わらず、竜一が運転。嫁が助手席。後部座席に嫁の両親。 という、2対2のフォーメーションで、讃岐に戦いを挑む。 ちなみに、お母さんが嫁の後ろ。お父 ...
『第2話-1を読む』 少し奥に進んだところに数人のおばちゃんがいて、麺が入った器をテーブルの上にたくさん並べている。 そのさらに奥に、大きな釜があった。 釜からは白い湯気が温泉みたいに濛々と立ち昇っている。 「すごいねぇ…」 ご家庭ではなかなか見れない、迫力の光景に圧倒される竜一。 なんか香川っぽい…! 「竜ちゃん……!」 嫁の声で我に帰った。 眼下のテーブルを見ると、すでにうどんに出汁が注がれた器が4つ用意されていた。 先にテーブルを確保してくれていたお父さんとお母さんの元へ、4つのうどんを載せた盆を持 ...
『第1話-2を読む』 週に1度。日曜日だけ、うどんが食べられる神社。 その駐車場に車を停めた。 例の攻略本によると、『田村神社』という神社らしい。 誰が見ても、いたって神社だ。 当たり前だ。神社なのだから。 しかし、それにしても、 すこぶる神社だ。 「どこで、うどん食べれるがやろねぇ?」 「どこやろねー?」うどんコーナーを探す竜一に嫁が答えた。 「どこやろねー?」 お母さんも嫁と同じことを言って、辺りを見回した。 田村神社。想像していたよりも、ずっと広い。 うどんを食べられないという、不測の事態に陥る覚悟 ...
『第1話-1を読む』 ――翌日10時すぎ、香川県高松市。 朝、予定よりも家でまったりしすぎて、遅い出発となったため、焦った。 けれども結局高知から所要時間1時間と少しで、高松入り。 「高松ってこんなに近かったっけ?」 地殻変動かなにかで、高松と高知の距離が短縮されているのではないか、とも思った。 運転手、竜一。助手席に嫁。 後部座席に嫁の両親という陣形で、高松市内をズンズン進む。 今日は迷わない。僕、買ったんです! 『さぬきうどん全店制覇攻略本!』 香川県内708店のうどん屋が掲載されている恐ろしい本。 ...
――2015年2月。嫁の実家にて。 「明日、香川にうどん食べに行くが」 コタツ机を挟んだ正面にいるお父さんに、満面の笑みを浮かべ、そう言う嫁。 「行きやー」 お父さんの隣で聞いていた、お母さんが言った。 「へぇー」 と、お父さんは微笑を浮かべている。 両親とも、明らかに娘と婿、2人で行くものだと思っている。 そのとき竜一。 嫁の耳元に顔を近づけ、小声で囁いた。 「一緒に行こう!って言って!」 「お父さんとお母さんも一緒に行く?」 猫なで声で誘う嫁。 するとお父さん。 「んー。まぁ行ってもえいけんど」 キタ ...
『第7話を読む』 『フカヒレ天津飯』に、興奮のあまり1571文字を費やした竜一。 そのとき思っていた。 フカヒレ天津飯は素晴らしかった…! でも………ここは台湾料理店…福味香…! 天津飯が台湾料理か…と考えると…どちらかと言えば… 中華料理なイメージ……! 折角………高知では見かけない……台湾料理を食べに来たんだ…… なにか…もっと……… 台湾っぽいものが食べたいっ…! 再度…開く……!メニュー……! あった……!これは間違いなく台湾だ…! 『豚骨台湾ラーメン』 出ました……!誰が見ても……!台湾料理…… ...
『第6話を読む』 愛媛県伊予郡、松前(まさき)町にある、大型ショッピングモール『エミフルMASAKI』をあとにしたのは、 松山市の『出雲屋』で鯛丼を食べた数時間後だった。 夕暮れどきの国道を走る車内で、嫁が訊いてきた。 「晩ごはん、どうする?」 「どうしよう……」 いったいどうすればいいのか、私にはわからなかった。 「なにか食べたいものないの?」 と訊かれて悩んだ。悩みながら答えた。 「んーーー」 俺は、鯛が食べたい。 「えー?また鯛……?鯛のほかに、なんかないの?」 「いや…べつに鯛じゃなくても、"たい ...
うどんに生卵を落とし、出汁や醤油をかけて食べる、『釜玉うどん』 子供の頃、そんなうどんの食べ方があるなんて知らなかった。 『醤油うどん』を知ったときも衝撃的だったけれど、『釜玉うどん』にも度肝を抜かれた。 「卵かけご飯のうどん版…!?」 元来、卵かけご飯が大好きで、このエントリーを書いている前日の晩にも卵かけご飯を茶碗に2杯食べたほどである私は(コレ実話)、たちまち『釜玉うどん』に魅了されてしまった。 その『釜玉うどん』の上位進化版が食べられる店が、高知でも徐々に増えてきた。 『うどんの庄 真田』(店舗画 ...
『第3話を読む』 瀬戸内の海をシゲシゲと眺める。 風が強い。 凧揚げには絶好の風に思える。 たまには私だって凧揚げがしたい。 <でも…いまは凧より鯛だな……> 『とみや』で念願の鯛めしを食べたあと、『ふたみシーサイド公園』というところに来ていた。 名の通り、海辺の公園。 高知でいうところの、『ヤ・シィパーク』みたいなものだ。 <ああ…もっと鯛が食べたい……> 瀬戸内の海は「チャプチャプ」と音を立てている。 <でも………んー……そうだな………> むしろ。 鯛からのーーー、 タイっ! それもありだな。 冷たい ...
カツサンドを食べた私は、車を走らせた。 向かうは愛媛県。 愛媛県といっても、 ありがちな松山市ではない。 目指すは愛媛県南予…! 宇和島市っ………!! 今回は………! 宇和島市に………! 鯛めしを………! 食べに行こわいっ…!! 愛媛県の郷土料理といえば……! 鯛めし! 鯛めしといえば、 炊き込みご飯に鯛が混ざったもの。 一般的なイメージは、それだろう。 がっ!しかし! 宇和島市など、 南予の鯛めしは違うらしい。 なにが違うのか。 答えは…………。 なんと……! 鯛が生なんだって。 白いご飯の上に鯛の刺身 ...
高速道路を降りて、『道の駅 あぐり窪川』に寄る。 <お腹空いた……> 一角に小さな店、発見。 そこで売っていたのは、『あぐり窪川』が建つ四万十町名産の『仁井田米』その米粉を使用した、様々なパン。 <"豚まん"に"カツサンド"……!"しいらバーガー"まである……!!> 時、すでに11時前。 ああっ…それにしても…!腹が減った…………! 俺は朝から……!なにも食べていないんだ…!! 店の前で一瞬迷った。なにかは食べる。食べるけれども、一体全体なにを食べるか、だ。 <しいらバーガーもいいッ…!豚まんもいいッ…… ...
子供の頃、 福岡県に行くツアーに参加したことがある。 たしか小学校高学年から 中学生くらいを対象としたツアーで、 基本的には親子で参加することを 想定して作られたツアーだった。 そのツアーに、当時12才、 中学1年生の私は1人で参加した。 いまはすっかりチキンだが、 子供の頃は凄まじい度胸を持った人間だったのだ。 道中で仲良くなった 須崎市在住だという母子と一緒に食べた、 博多の屋台の豚骨ラーメン。 それが子供ながらに、 衝撃的な美味しさだった。 以来、私は、 「ラーメンはなに味が好き?」 そう訊かれるた ...
初めて食べたのは子供の頃だった。当時、家では食べたことがない料理だった。 黄色い山を前に息を呑み、その山をスプーンで切り裂いた。 すると褐色の餡がドロッと崩れ、中から白いご飯が現れた。 「これ……天津飯っていうんだ!」 平民の子にとって衝撃的な料理だった。 料理全体が、タマゴで覆われているのだ。 「タマゴは1日1個まで」 そんな我が家の常識を覆す、贅沢な料理。 「美味しい……」 1口食べて思った。 「美味しい……」 2口食べて思った。 3口食べても4口食べても、10口食べても天津飯は美味しかった。 そして ...
数年に1度、 自動車免許を持つ者にやってくる、 免許更新。 講習は午前からのものと、 午後からのものがあるという。 <朝行くの…大変だから午後から行こう…> 午後の講習開始は14時すぎ。 「それまで山岡で、 ラーメンやっ…!」 家からは遠いので、 普段はなかなか来られない。 だからこそ……! 免許更新時のお楽しみ! 『美味しんぼ山岡』 (※ 店舗画像は2013年8月のもの。 この記事は2014年4月の話です) 店構え。 民家風というよりも、 ほぼ民家。 2度目だがドキドキする。 あまり付き合いのない 親戚 ...
高速道路のサービスエリアでも、 ショッピングモールのフードコートでも、 私は、わりとどこでもうどんを食べる。 回転寿司でも………… うどん……! と言いたいところだが…… 今日はラーメンやっ! 『スシロー 南国店』 〆にラーメンを食べるんだ。 寿司は腹八分でやめておこう。 そう思ったのも束の間。 結局、食べられるだけ食べてしまった。 もうまったくお腹は空いていない。 しかし私は最初から ラーメンを食べるつもりで ここに来たのだ。 だから……! 満腹でも…! 無理矢理食う……! 『鶏チャーシュー入り塩ラーメ ...
大きな新年会の準備で猛烈に忙しかった年末年始。 そんな中、耳に入ってきたうどんの新店情報。 2012年12月15日にオープンした、南国市の『セルフ 讃岐うどん屋』 その2号店だという。 しかしオープン日は、1月10日。 大きな新年会の前日にして、ウチのオカンの誕生日。(実話) 大きな新年会で使う小道具の調達に忙しい。 故に、オープン日に行くことは不可能。実際のところ、うどんどころの騒ぎではなかった。 だが私は忘れていない。 うどんへの愛を、情熱を。 1月17日。オープンから丁度1週間が経ったその日。 未知 ...
ここは香南市野市町(のいち)。二十年ほど前、まだ香美郡野市町だったころは、辺り一面に田園風景が広がっていた。 幼少期の私は思っていた。 「野市、田舎やな!」 しかし近年、野市町は再開発され、鉄道が走るようになり、駅前は様変わり。すっかり垢抜けた町となった。 これが良いことなのか悪いことなのかは別として、野市町という町は(駅前だけ)別の町みたいになった。 そんな野市町に、あるとき一軒のラーメン店ができた。 元々、骨付き鳥の店としてやっていたのが、ラーメン店になったのだ、と噂に聞いたときには、「ふーん」としか ...
ホテルのベッドで目が覚めた。昨日大丈夫だったかな。楽しんでもらえたかな、などと寝起きから不安な気持ちになった。 結婚式の翌日ってもっと幸せに包まれているものだと思っていた。 幸せだ。幸せだけれど不安だ。 最後の新郎挨拶も、私らしいグダグダっぷりだったので…。 嫁のお父さん、お母さん的に、 大丈夫だったのかと心配だ…! <まぁ………!いまさらなにを言ってもあとの祭りさ…!それに…俺は俺であれが限界……!> 通常であれば、娘を返してもらいたくなるレベル。 <だが………!ちゃんとしろと言われても…120%……目 ...
「顎が疲れた……!」 十年ほど前、初めて食べたときは、その固さに驚いた。 「こんなにも固いうどんがあるとはね」 固すぎるな………。 最初はそう思った。でもその数日後から襲ってくる、不思議な感覚。 「固い…固いよ……でも…また食べたい……」 なにかの中毒症状のような感覚だった。 むしろ、このときすでに私は魅了され、狂い始めていたのかもしれない。 白いアルデンテの世界に…。 香美市土佐山田町。『手打ちうどん さかえ』 気が付けば約1年ぶりだった。 相変わらず太い………。 相変わらず固い………。 相変わらず…… ...
『ひやかけ』に、ナス天だよ!