竜一

高知生まれ高知在住 / グルメブログ歴15年以上 / これまでに数千軒を食べ歩き / 飲食店が好き / 飲食にたずさわる人が好き / 大好きなお店を知ってほしくて書いています。

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洋食屋 SWEET BASIL (スイートバジル) 「すぱまき取りクロニクル」

台所でうどんをゆでているときに、電話がかかってきた。私はAM放送にあわせて石川さゆりの『天城越え』の序曲を口笛で吹いていた。うどんをゆでるにはまずうってつけの音楽だった。 電話のベルが聞こえたとき、無視しようかとも思った。うどんはゆであがる寸前だったし、石川さゆりは今まさにその歌声を、さゆり的ピークに持ち上げようとしていたのだ。 しかしやはり私はガスの火を弱め、居間に行って携帯電話をとった。ハルキがノーベル賞を逃したことで、私のところに選考委員会から電話がかかってきたのかもしれないと思ったからだ。 「スパ ...

店名が入ってる丼と入ってない丼があるよ

季節料理 寛(ひろ)

「おっ!一台分だけ空いちゅう!」『季節料理 寛』の店先にある駐車場を見て言った。「今日ツイちゅうわー」 普段、外食で"ご飯物"を食べたいと思うことはあまりない。わざわざ外で食べなくても、米なら家に大量にあるからだ。 それでも外出した際、どこかで食事を摂ろうかとなった場合、米が欲しくなることが稀にある。日本人の血が騒ぐのかもしれない。「もっとお米食べろよ!」と。 <今日の日替わりはなんだろう…>出入口のボードを確認した。『白身魚の煮付け』だった。<悪くないな…> だが店内で改めてメニューを見て、気が変わった ...

【高知】「じぇんとる麺 喰」(休店)

雨はさらに強く降ってきた。白く霞んだウォータースクリーンの向こう側にある、愛宕通りを走る車の天井やフロントガラスに水滴が当たって跳ね返っている。 <今日もよく降るなぁ…>連日、雨が降り続く八月の午後。昼下がりのお爺ちゃんみたいに、『じぇんとる麺 喰』の店内から窓の外を見つめていた。 「味噌カツラーメン、あんまり食べないんですけど、じぇんとる麺でだけは食べます。むしろ、あそこに行ったら絶対に味噌カツラーメン食べます。カツが美味しいんです」そう言う人がいた。 「ジャニーズ興味ないんですけど、生田君だけは別格で ...

高知初!横浜家系ラーメン「とさの家」チャーシューメン

高知市はりまや町に『家系』のラーメン屋がオープンしたと聞いた。 <家系…はて…?>旅行以外で高知から出たことのない私は、いまひとつピンと来なかった。きっと多くの高知県民が概ね同じ反応だろうと思う。 豚骨醤油ラーメンの店らしい。 (看板の照明が消えているのは、最後にアレがアレしたからなんだよ!) 店先に大きな花輪が並んでいたので、場所はすぐにわかった。 『とさの家』と看板に書かれている。 初めての店。いつものように緊張したし躊躇もしたけれど、敵前逃亡できない。コインパーキングに車を停めてきたからだ。<駐車料 ...

【閉店】麺処やすきや かすうどん(大盛り)

駐車場に停めた車の中で雨が小降りになるのを待っていた。土砂降りの雨だった。 世界中を涙で埋め尽くすように雨は降っていた。空は何が悲しいのだろう。悲しいときは、うどんを食べればいいのにね。 <止まないなぁ…>しばらく待っても状況は変わらない。 私は電柱の陰から飛び出す子猫ちゃんのように、車のドアを開けて走った。 五、六年ぶりに、『肉入りしょうゆ』で有名な『やすきや』の暖簾をくぐった。 相変わらず、お客さんが入っていて店内には活気がある。甲子園球場で行われる「阪神×巨人」戦みたいだ。甲子園といえば「青リンゴ酎 ...

道の駅布施ヶ坂 ラーメン

道の駅・布施ヶ坂 「角煮ラーメン」(高知・津野町)

2014年9月に訪れた際の情報です。ご注意ください。 『ゆすはらグルメまつり』の会場をあとにして、車を走らせ帰路に着く。 すると間もなく大粒の雨が降り始めた。それに加えて霧が立ち込めていて視界が悪い。慎重にアクセルを踏んでハンドルを操作する。 「雲の上の町ゆすはら、今日は霧の中の町だね」 梼原の町を足早に離れたのには、意図があった。 「俺はおでんが食べたい!」 帰り道にある『道の駅・布施ヶ坂(ふせがさか)』の知る人ぞ知る名物、おでん。中でもコンニャクのおでんが絶品なのだ。それを是が非でも食べて帰りたかった ...

ゆすはらグルメまつり 2014

強く降っていた雨は次第に小降りになってきた。傘を差して梼原の町を歩く。何度か車で通過したことはあるけれど、梼原の地に足を下ろすのは初めてだった。 <綺麗な町並みやな…>田舎の寂れた町、という雰囲気ではない。 『ゆすはらグルメまつり』という愛媛と高知のグルメが一同に会すイベントが開催されると聞いて遥々やってきたはいいが、予定があり梼原に着いた頃には午後二時半を回っていた。 「いろんなものが売り切れ始めているので、急いでください」と駐車場の整理をしている人に言われて、やっぱりそうだよな、と思った。イベントは午 ...

つけSOBA GOKU-TUBUSHI -ゴクツブシ-

新しい蕎麦屋ができたと聞いた。これまで高知になかったような蕎麦を出す店だという。 <桟橋のサンプラザの裏……> 高級な軽自動車のハンドルを握り、電車通りから西側へ回り込む。 はつけん! 『つけSOBA GOKU-TUBUSHI -ゴクツブシ-』という強そうな名前のその店は、閑静な住宅街の一角にあった。 店の脇に、一台分のみある駐車場が空いている。 <三年分くらいの運をこれで使ってしまった気もするが…ラッキー!> だが同時に不安の波が心に押し寄せる。 <大丈夫かな…俺……>初めての店に一人で入店。初めてのデ ...

【閉店】手打ちうどん とがの藤家 「親戚のお小さい方々、ごきげんよう」

雨が降ったり止んだりを繰り返す夏の日だった。県外から来た親戚たちを含めた総勢九名で、佐川町にある手打ちうどん店『とがの藤家』に行った。九名の内、五名はお小さい方々(子供)だ。 一台に乗り切れないので、二台の車に分乗して行った。険しい山道を全速で攻めたが、私の運転する車のほうが遅れて到着。待たせて申し訳ないと急いで車から降りる。 すると、そこに幻の麺師・山雀さんが立っていた。 <ええっ…!山雀さん…!>圧倒的驚愕。一瞬何が起きたのかわからなかった。(山雀さんのブログはコチラっ!) いま目の前に見ている山雀さ ...

マルトクラーメン つけ麺(大盛)

国道沿いにある小さな看板に「つけ麺」と書いてあることに、初めて来たときに気が付いた。 <看板に書いてあるくらいだから、つけ麺も美味しいのかな…?>闇夜の中に赤く光る看板の文字を見て思った。 香南市野市町にある『マルトクラーメン』を再訪したのは、それから数ヵ月後のことだった。前回とは違い、昼営業を狙った。 夜に来たときと同じように、若者を中心に男性客が多めの店内。カウンター席がたくさんあるので、一人で来ても座りやすい。 それでも私は怖かった。<大丈夫か!俺…!大丈夫かっ…!>コミュ障にしかわからない不安に駆 ...

草や 剣先イカの煮付け

(店舗画像は使い回しです!) 雨が降ってはいるが、傘を開くのが面倒なほどの雨だった。草色の暖簾をくぐって戸を引いた。 初めてのときは胸が思春期の女子みたいにドキドキした。けれども、いまではすっかり仲の良い友達の家みたいなものだ。 それでも少し恥ずかしい。だって私はシラフで、しかも可愛いコミュ障なのだから。 玄関で靴を脱いで、マスターに見つからないようにコソコソと中に入る。 テーブル席に腰を下ろして、日替り定食を注文した。まだ見つかっていない。たぶん。 厨房のほうをチラリと見た。奥にマスターがいる。大丈夫だ ...

ガスト 高知野市店 「シャキシャキ野菜の冷やし担々麺・ミニまぐろご飯セット」

二日酔いだから手抜き更新してるわけじゃなくて、忙しいからなんだからねっ!  

そばと酒 湖月 思い出せないよ

(湖月の蕎麦。酔っていてメニュー名記録漏れ…。もっと詳細な湖月体験記?はコチラ!)

はなまるうどん 高知インター日の出店 「カレーセット・温玉ぶっかけ」

(店舗画像は昨年のものの使い回しです!) カウンター越し、店のおばちゃんにダメ元で訊いてみた。「カレーセットで…冷かけってできます?」 「カレーセット」とは、「カレーライス」と「うどん」がセットになったものだ。 「麺を冷たくすることはできますけど、出汁は温かいのをかけるようになります」 <それだと、ひやあつだな……> 冷たい出汁は用意されていないらしい。通常通り、メニューに記載されている三百円のうどんから選ぶことにした。 冷かけが食べたくて目指した店に達したのが、十四時ごろ。臨時休業だった。 他のうどん屋 ...

【閉店】お食事処 えききた

<今日はマグロか……!>「お食事だいせい」から店名を変えて再オープンした「お食事処えききた」 そこで「本日のお魚の漬けごはんセット」というものを食べていた。「だいせい」時代にもあった気がするメニューだ。 <マグロの生臭さもなくて美味しい!> 「かけ」「冷かけ」「おろしぶっかけ」から選べるというセットのうどんは、「冷かけ」にした。薄くスライスされたスダチの香りが出汁の香りに混じり、冷涼感を強めている。 何日も雨が降らず、日照りが続く七月下旬だった。 青い空から太陽がギラギラと光線を放っている。この半月後に記 ...

【高知】南国市のそば処「㐂太八」(喜太八・きたはち)

思春期の乙女みたいに、胸がドキドキと高鳴っている。 時刻はすでに十四時を回っていた。 暖簾をくぐり、戸を開けて中に入る。 少し暗い店内。先客は男性が一人。計算通りだ。 私は隅の四人掛けの席に腰をおろし、メニューを手に取った。 <これが噂の……> 視線の先には「山かけ」と書かれた文字列があった。その脇に赤い波線が引かれている。 南国市岡豊にある「そば処・㐂太八(喜太八)」の「山かけ」が美味しいと書いてあるブログを読んだのは随分前だった。 そのブログを書いている方は「㐂太八」へ行くと、決まって「山かけ」を食べ ...

桜井町2丁目食堂 テンゾーネ 「高速ピカタ」

<サーモンピカタ!>高知市桜井町にある洋食のお店「テンゾーネ」そのメニューに、「サーモンピカタ」と書かれていた。 私はサーモン、つまり鮭が大好きだ。 回転寿司の「スシロー」に行った際には、通常の「サーモン」はもちろん、「とろサーモン」に「焼とろサーモン」「炙りサーモンバジルチーズ」と、未曾有のサーモンメドレーを開始してしまうほど大好きだ。 そんな愛するサーモンが、テンゾーネではピカタスタイルで提供されるというのだ。さすがのスシローでも、サーモンのピカタ寿司は回ってこない。 そもそも私はピカタという料理自体 ...

桜井町2丁目食堂 テンゾーネ 「テンゾーネオムライス」

(サラダのほかにポタージュスープも付いていた!) (たぶん明日の記事で、もう一発テンゾーネいきます!)

洋食屋 SWEET BASIL(スイートバジル)

雨上がりの昼。平日だが「スイートバジル」の店内は、ほぼ満席だった。私はわずかに空いていた窓際の二人掛けの席に腰をおろして、新聞を広げていた。 <スパゲティーを店で食べるの、いつ以来だろう……> 女性客が多い店内。スパゲティーにうスープとサラダ、ミニピザにドリンクまで付いて(たしか)880円という、 本気のときの"ジャパネットたかた" みたいにお得なランチセットを注文した。 店員さんに「大盛にできますか」と訊くと、できると言う。「じゃあ大盛で!」と私は頼んだ。 最近、お腹が出始めている。食べたいものを食べた ...

【移転】老麺館2番 俺=ジュリエット

「おお、2番よ2番。どうしてあなたは2番なの?」 気が付くと、そんな台詞を頭の中で何度も復唱していた。そう、まるでジュリエットのように。 ▼「老麺館2番」は2017年11月現在、高知市愛宕山に移転されています。 (老麺館2番!高知・愛宕山に移転した元祖にんにくラーメンの店!) カウンター席に座り、店の人が置いていってくれた水を一口飲む。 <どうして1番じゃなくて、老麺館2番なの……?> もしかすると、そこには何か深い理由があるのかもしれない。聞けば感動してしまうほどの。 しかし、あえて訊かない。何でも答え ...

味千拉麺 南国店

火の国・熊本県に行ってみたいと思ったのは、桜が散ってまだ間もない頃だった。 でも熊本に行くとなると、少し遠くて大変だ。躊躇していると名案が浮かんだ。 「もう、めんどくさいから近場の"味千拉麺"でいいや」 そんなわけで、早速、熊本ラーメンの店「味千拉麺」の南国店へ高級な軽自動車を走らせた。 うどんに比べて、ラーメンは未訪の店が多い。<うわぁ…初めての店で緊張する……> 私はガタガタと手を震わせた。しかしそれは緊張によるものなのか、アルチューによるものなのか、イマイチよくわからなかった。 昼のオーダーストップ ...

喰いもんや うどん屋と二階

ゆっくりとカレーの香りが漂ってきた。 <そろそろ出来上がる頃かな……> 私は鼻から思いっきり息を吸い、その香りをクンカクンカと嗅いだ。 <やっぱりカレーの香りはいいなぁ、ヨダレが出る!> 『喰いもんや うどんと二階』 という変わった名前のこの店には、何度か来たことがあった。 酒を飲んだ帰りに千鳥足で暖簾をくぐって注文するのは、いつも「カレーうどん」だ。一度だけ「ぶっかけうどん」を注文したこともあるけれど、その後はまた「カレーうどん」ばかり注文している。 店の奥まで縦に伸びる肌色した木のカウンターの向こう側 ...

ラーメン食堂 黒まる 「日替わりランチ・ざるラーメン&ハーフチャーハン」

うんばらばーうんばらばー。「ラーメン食堂 黒まる」のカウンター席に座り、祈るような気持ちでラーメンを待つ。 <早く"黒まる"のラーメンを摂取しないとヤヴァイ……> 私は小刻みに震える手でコップを持ち、水を飲んだ。このところ「黒まる」に来ると震えが激しくなり、「黒まる」のラーメンを食べると震えが収まる。 どうやら禁断症状による震えらしい。 まだかまだかとラーメンを待った。 すると突然、後ろから誰かに肩を叩かれた。 「逮捕される……!」 瞬間的に、そう思った。 「竜一君だね?署まで同行願おうか?」「違う!俺は ...