『前編を読む』 テーブルの配置がどうであったか、ほとんど忘れていた大名庵の店内の壁に沿って設けられたカウンター席に、私は一人でポツンと座ってメニューを眺める。 目当てのシャモ肉が入ったうどんは、「大名シャモ鍋うどん」という名だと、事前にネットで調べて知っていて、合致するメニュー名を探したが、そのようなものは無かった。 念のため、店内の壁を360度すべて見渡して、「大名シャモ鍋うどん」に関する張り紙が無いかも確認したが、やはり無い。 かなりの欲求を持ってして、それを食べに来たわけだから、この局面をどうしたも ...