竜一

高知生まれ高知在住 / グルメブログ歴15年以上 / これまでに数千軒を食べ歩き / 飲食店が好き / 飲食にたずさわる人が好き / 大好きなお店を知ってほしくて書いています。

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十兵衛うどん!高知・室戸市の老舗でデカ盛うどんを食べる!

高知県最東端のうどん店である室戸の「十兵衛」。 そこを切り盛りするオバアに初めて出逢ったのは、 高知の地元タウン情報誌「ほっとこうち」で行われていた企画、「あけましてお麺路さん」 通称、「うどんスタンプラリー」に関連して、西は中村市(現・四万十市)、東は十兵衛がある室戸市まで、 県下25店舗のうどん屋さんを食べ歩いているときだった。 当時、中村市に存在した「ほうばい」のスタンプがすでに押されているのを見て、 十兵衛のオバアは目を丸くした。 「西から東まで、ようけ回られちゅうねぇ・・・!」 のちに25店すべ ...

【閉店】らーめん工房 りょう花 南国店 後編/肉のちイタリア

前編はコチラっ・・・!『らーめん工房 りょう花 南国店 前編/塩の覚悟』 飲食店に行くと、毎回私のストレスになるのが「注文」自分の蚊の羽音ほどの声量で店員さんを呼ぶのが本当に大変で、心の負担がとてつもなく大きいのだ、クフ王のピラミッド並みに・・・。 この時も注文する品を決めてから、少し苦労するかもしれない、という懸念を拭い去れないままに、テーブル席から厨房のほうを見やった。 厨房とホールを仕切るガラス越し、店員さんと目が合う。 何かを調理しているみたいで、しきりに両手を動かしながら「コクリ」と頷き、「いま ...

【閉店】らーめん工房 りょう花 南国店 前編/塩の覚悟

外食といえば「うどん」で、こうも「うどん」ばかり食べていると、さすがにたまには別のモノも食べてみようか、とも・・・あんまり思わないのだけれど、この時は、なんとなく「チャーハン」が食べたかった。 すでに日も暮れて辺りは暗く、誰が見ても夜だったし、夜も開いているうどん屋は少ないし、それだったら、なんとなくチャーハンが食べたいわけだし、中華料理屋もいいけれど、なんとなくラーメン屋に行ってみようか。ラーメン屋にもチャーハンはあるし。 などという、なんとなくな動機で、南国市の「りょう花」へ急行した、ユラユラと。 『 ...

【閉店】お食事 だいせい EP3/お野菜も牛すじもたっぷりぜよ!

『EP1を読む』 『EP2を読む』 うどんが出来上がるのを、イスの背もたれに踏ん反り返って大人しく待つ。 「だいせい」のスグ隣には高名な「高知駅」がある。もちろん「だいせい」の店内からも、窓越しにそれを望むことが出来る。 「高知駅」は近年改装されて新しくなっているのだけれど、私は高知県人であるにも関わらず一度も足を踏み入れたことが無かったし、ロクにキチンと見たことすらも無かった。 そこでだ。この機会に是非マジマジと眺めてやろうと思ったのだ。 けれども、私が座った席は、よりによって「だいせい」の店内に数少な ...

【閉店】お食事 だいせい EP2/美麗なる生姜とイルカ

『EP1を読む』 『EP3を読む』 オープン当初の「らっしゃいっっっ!!!!!」みたいな緊張感が良い意味で抜けて、「いらっしゃいましぃー」というような穏やかな雰囲気で迎えてくれる「だいせい」 テーブルに付くなり目に付いたのは、「おろし生姜」 手のひらサイズのガラス容器に入れられたそれは、えらくお上品にすりおろされている。 一瞬、「さすがは"だいせい!"生姜の扱いが丁寧だ!」などと無駄に興奮しそうになったけれど、すぐさま、これが罠であることに気が付いて冷静さを取り戻した。 <よくよく考えてみろ・・・おそらく ...

【閉店】お食事 だいせい EP1/うどんを食べに行くぜよ!

『EP2を読む』 『EP3を読む』 <チクショー・・・だいせいめ・・・!また俺のお腹を空かせやがって・・・!> 普段、心の中に捨てている言葉を流せるから、という理由でコッソリやっている「Twitter」 一応やっているにはやっているのだけれども、「Twitter」の何が面白いのか私にはまったくわからないから、2分に一度ぐらいしか確認していない。 なのに、たまたま偶然にも、いつもお腹が空いてくる昼11時過ぎに見てしまうのだ。 「だいせい」の呟きをっ・・・! 「だいせい」とは、高知駅の北側にある、高知トップク ...

幻の山雀うどん 釜なっとう

4月のある日。雨上がりで、ぽっかりと空いた予定。 ついに機会がやってきた!とばかりに、私は嬉々として土佐市へ向かった。 昨年の夏から想いを馳せながらも、ローテーションが上手く噛み合わず、なかなか食べることが出来なかったあの一品を食べるために・・・。 しかし、目的の店、「一蓮」シャッターが下りていて、わずかに覗く店内も薄暗い。 戸に紙が貼られていたから見てみると、休業するという旨が記載されていた。(4月14日時点での話です、現在の状況はわかりません) ここで「釜なっとう」なる、"釜揚げ麺の上に、「納豆」と「 ...

めん處 雅(みやび) ~再訪~ EP4/覚悟のうどんと愛と勝負

『EP1を読む』 『EP2を読む』 『EP3を読む』 おじさんと和やかにドモリながら会話しながらも、私は内心震えていた。 <そろそろだ・・・そろそろ・・・! 腹を括れ・・・今回は前回の"釜たま"よりもたくさんの具を乗せた・・・! つまりこれは挑戦・・・今回は俺のうどん人生を賭けた大勝負になる・・・!> 時間の経過と共に高まる緊張感。 話を中断して、厨房と飲食スペースを仕切る窓へと歩んでゆくおじさん。 <来るっ・・・8ヶ月前に俺を苦しめた"アイツ"が、来るっ・・・!> 瞳孔が凄まじい勢いで開いていくのが自分 ...

めん處 雅(みやび) ~再訪~ EP3/お茶と水とおじさん

『EP1を読む』 『EP2を読む』 『EP4を読む』 前回来た際にメニューが書かれた紙をもらっていたから、 注文する品は「雅」に来る前からあらかじめ決めていたけれど、その紙は8ヶ月前のものだ。 席に座った直後に玄人ぶってムニャムニャと注文したはいいが、 「あぁ、すいません、それもうやってないんですよぉ」 なんておじさんに言わさせてしまったら、お互い気まずくなってしまうではないか。 そういう展開だけは避けたいので、 店の隅の席に座った私は、一応メニューを確認した。 <メニューに変更は無い・・・!> 流れは来 ...

めん處 雅(みやび) ~再訪~ EP2/優しいおじさん

『EP1を読む』 『EP3を読む』 『EP4を読む』 高知市瀬戸の閑静な住宅街の中にヒッソリと佇む「雅」 そこに迷わず辿り着くのは至難の業で、 戌年(いぬどし)だから10キロ離れた場所からも出汁の香りを嗅げて、 しかも嗅ぎ分けられる、非常に優れた嗅覚を持つ私ですら、初回はさすがにグーグルマップの力を借りた。 けれども、今回は2度目だ。 <戌年である俺が・・・一度来た場所を忘れるものかね・・・!> 一寸の迷いも無く、完璧なるライン取りでコーナーを曲がりに曲がって、 区間最速のタイムを刻みながら、終点である「 ...

めん處 雅(みやび) ~再訪~ EP1/決着の刻

『EP2を読む』 『EP3を読む』 『EP4を読む』 もう随分と前、十代の頃。 思春期真っ只中だった当時の私には、好きな人がいた。 「竜一君って、好きなものから先に食べるタイプ? それとも好きなものは、あとに取っておいてから食べるタイプ?」 彼女の唐突な質問に、少し考えて、うつむきながら答えた。 「俺・・・テキトー・・・」 「そうながや!」 クスクスと可愛らしく笑いながらそう言う彼女の姿が、 淡い思い出として今も脳裏に焼き付いている。 あれから十数年。 相変わらず私は、先に食べるとか、あとから食べるとか、 ...

【高知】セルフうどん「ひなた屋」サバの突撃

実は、「勝手にうどん振興協会」を勝手に設立している私は、 目当てのうどん屋さんに行く際に、通り道にあるうどん屋さんの状況を逐一確認している。 うどん屋さんの経営は難しいみたいで、 オープンから何年も持たずに閉店してしまううどん屋さんも少なくない。 誰が食べても美味しくないから閉店するのならわかるけれど、 光るモノが確実にあって、それが徐々に輝き始めた頃に、終了のお知らせ。 悲しいじゃないか。 「これからだったのに・・・! アンタのうどん、他の誰もが打てないようなうどんで、 うどんの常識・・・固定観念という ...

晶栄寿司(しょうえいずし)

酒を覚えたての頃は、飲み歩くのが楽しくて仕方が無くて、週一ペースで街に繰り出しては、日付が変わるまで飲んだりしていた。 しかし、近年は酒を飲み歩く楽しさよりも、引き篭もり志向が上回り始めて、飲み歩くことをパッタリとやめてしまった。 飲んでから、はるばる辺境の家まで帰るのは面倒臭いし、そもそも街に繰り出すこと自体が、億劫になってしまっている。 一緒に飲みに行こうよ、という誘いも無いし。 もはや、仕事とうどん以外のことでは家から出たくないし、部屋からも出たくない。<俺のことなんか放っておいてくれ!俺はこの部屋 ...

高知!土佐市のセルフ!さぬきうどん「清瀧」(きよたき)

土佐市には随分と前から大手をかけていた。 土佐市うどん主要5店の内の4店(「中乃家」「黒潮うどん」「よし乃」「一蓮」)を制覇して、残すところあと1店となっていたのだ。*一蓮はその後に閉店されました。 だが、私は元々"新規開拓"にはあまり興味が無く、むしろ気に入った店ばかりに通うタイプで、土佐市制覇なんかしなくてもいいや、と思っていたのだけれど、やはり土佐市制覇はしておかないと、そこに転がっているパズルの最後の1ピースを、はめないまま放置しているみたいでスッキリしない。 だから、なんとかやる気を出して土佐市 ...

さぬきのセルフうどん 愉楽家(ゆらくや) 高須店

頬を伝う涙を覆い隠すように厚い雲が蔓延って、空は大粒の雨を降らせた。 <俺の分まで・・・泣いてくれてるんだね・・・> 泣いていた。空が私と共に泣いていた。 <こんなに沈んだ気分を晴らすには・・・そうだ、うどんしかない・・・!香川だ・・・アルデンテのメッカ・讃岐に行けば、きっと俺の空を晴らすことが出来る・・・!> 私は車を走らせた。100万ドルの価値があるとされる私の笑顔を取り戻すためには、讃岐に行くしかないのだ。 愛媛県経由で讃岐に行こうと、雨の大津バイパスをひた走る。すると、一軒のうどん屋が目に入った。 ...

本手打ち讃岐うどん さかえ 素の力

<この店さえ・・・!この店さえ無かったら・・・!俺はうどんに人生を狂わせられることなんて無かったのに・・・!> 20代前半の頃、当時、駈け出しのうどん中毒だった私に、うどんの美味しさを教えてくれてしまって、重度のうどん中毒にしてくれやがった店、それが今も高知中東部の人気店として君臨する香美市土佐山田町の『さかえ』である。 前にも同じようなことを書いた気がするけれど、『さかえ』にはうどんの麺の美味しさを教えてもらった。 醤油でもかけときゃ喰える麺は、世界中にいろんな麺がある中でもうどんぐらいしかないんじゃな ...

ラーメン・牛すじ処 どば みそバター塩バターコーンラーメン

気が付くと何年も会っていない知人に、「おーい元気か」と電話をしたりメールを送ったりして、 連絡を取ってみたりすることが誰しもあると思うが、私は、それと同じような感覚で麺屋に行く場合が多々ある。 昼に時間がある時は、昼にしか営業しない店が多いうどんを最優先するため、 必然的にラーメン屋には夜行くことになりがちで・・・この日も、やっぱり夜だった。 『ラーメン・牛すじ処 どば』 オープンして間もない頃に一度だけ来て、 その後は、うどん至上主義の世論ならぬ"竜一論"に押されて、 しばらく逢っていなかった『どば』で ...

Deer Land Farm 岡崎牧場 春風の章 後編/ムギュムギュウサギ

前編はコチラッ・・・!『Deer Land Farm 岡崎牧場 春風の章 前編/骨肉の争い』 弱肉強食、自然界の掟は、たとえ家族のあいだでも適用されるのだ、ということを体現して見せてくれたヤギ一家の隣にはウサギがいた。 最初、ウサギにもニンジン本体をあげようとしていたのだけれど、なんだか岡崎牧場のウサギ達は、ニンジン本体よりもニンジンの"葉"のほうが好きな様子だったから、本体の処理はヤギ一家に任せて、ウサギ達には葉を食べていただくことにした。 ニンジンの葉をフリフリと振りかざすと、私のそばに寄って来て、「 ...

Deer Land Farm 岡崎牧場 春風の章 前編/骨肉の争い

『味里』でうどんを食べて、『麦笑』でうどんを食べて、合計3玉分のうどんを取り込んだあと、私は車で高知市北部の円行寺という地区を目指していた。 万々のTSUTAYAの脇を抜けて北へ進行すると、山が近付くに連れて急速に周囲の家々は数を減らし、唐突に田舎風味が漂い始める。 一度来て場所はバッチリ記憶しているから、迷うこともなく、余裕のよっちゃんにて、到着。 『Deer Land Farm 岡崎牧場』 到着して車を降りると、牛がいた。 牛は、私をジッと見つめたまま、視線を外さなかった。ずっとだ、ずっと私を見つめ続 ...

おむすび・たけざき・玉子焼

『cafe chang(カフェ・チャン)』でタイ料理を満喫して、身も心もタイ人になり始めていた私は、忘れ掛けていた日本人としての心を取り戻すため、『イオン高知』に出向き、高知では知らない人がいない、有名な『ショップたけざき』が運営する店にて、おむすびのセットを購入。 イオンのフードコートで食べる手立てもあったのだけれど、人がウジャウジャいたし、普段、家族以外の誰にも会わずに一日が終わったりすることもある孤独な農民にとって、そういう環境は、すこぶる居心地が悪いから、テイクアウトして家で食べる。 俺は一匹狼な ...

さぬき 結 みそカツうどん

<ラーメンの上にトンカツが乗っている・・・!ラーメンの上にトンカツだぞ・・・!いいのかよ・・・こんな贅沢っ・・・!> 子供の頃、オカンに連れられて行った『豚太郎』そこで受けた衝撃は、未だに忘れることができない。 あれから20年。 私は自分で働いて得たお金で、『セレブの食べ物・味噌カツラーメン』を食べられるようになった。 毎日食べたらさすがに懐具合が苦しくなるけれど、時々だったら食べられるようになった。 そんな味噌カツラーメンが、近年、全国どこでも食べられる物ではなくて、高知特有の食べ物であると知ったときに ...

cafe chang (カフェ・チャン) EP3/アジアな夢

『EP1を読む』 『EP2を読む』 自分の中で最大の難関である"注文"を終えて待つあいだ、少し店内を見渡してみた。 柔らかな茶色をした木のテーブルとテーブルのあいだには、天井からアジアチックなデザインの生地が垂れ下がっていて、それが目隠しとなって、他の客を気にしなくて済む配慮がなされている。 これは私みたいな、内気でネクラで人目が気になる人には嬉しい配慮だ。 生地は壁にも掛けられていて、赤褐色の色合いの中に動物の刺繍がされていたりと、いかにもアジアな雰囲気を強く醸し出していて、思わず言葉がこぼれた。 「タ ...

cafe chang (カフェ・チャン) EP2/自然タイ

『EP1を読む』 『EP3を読む』 憧れのタイの料理が食べられると聞いて来た『cafe chang(カフェ・チャン)』は、『東印度公司(ヒガシインドコンス)』という、エスニック雑貨や服飾を扱う店に併設されていた。 <混んでなかったらいいんだけど・・・!> 常日頃、場末のうどん屋ばかりに行っているせいで、こういう、いかにもオシャレな女性達が集いそうな"カフェ"に対する免疫がまったく無くて、大抵の場合、"入りづらい"という感覚を覚えてしまうのだけれど、『チャン』は違った。 まるで我が家であるかのような自然体で ...

cafe chang (カフェ・チャン) EP1/高知のタイへ

『EP2を読む』 『EP3を読む』 二十代の内に、しておきたかったけれど出来なかったこと。それが『海外旅行』だ。 だが、一口に"海外旅行"と言っても、多くの人が想像するであろう一般的なソレと、私がしたかった海外旅行は、おそらく違っている。 私がしたかったのは、一人で、バックパックを背負って、安宿に泊まりながら、長期間、様々な国々を旅する、そういう海外旅行だ。 けれども、私もとうとう三十である。 まだまだこれからじゃないか、と声をかけてくれる心優しい人もいるかもしれないけれど、この夢を思い描き始めた十代後半 ...